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皇室取材余話【8】被災者に寄り添って

皇室取材余話【8】被災者に寄り添って

 天皇・皇后両陛下は10月27日に、7月の九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県朝倉市と大分県日田市の被災者を見舞われました。私は両陛下に同行し、両陛下と被災者とのやりとりや現地の現状を取材しました。

 両陛下は27日正午過ぎに福岡空港から高速道路で朝倉市に入られました。杷木志波地区を流れる北川が筑後川に合流する手前や、杷木ICの近くの川沿いは一階が土砂に埋まった家などがそのまま残されていました。車のスピードを落として、両陛下はその現状をご覧になりました。

 朝倉市役所杷木支所で、両陛下は同市と東峰村の被災者6人と懇談。妻、娘、一歳の孫を亡くした淵上洋さん(65)は亡くなった3人の様子などについて語りました。娘は臨月で15日後に男の子が生まれる予定でした。その娘は孫をかばい、その娘をかばうように妻が亡くなっていたということです。陛下は「本当に残念なことでしたね」と述べ、皇后さまは「どうぞお体に気をつけてくださいね」と気遣われました。

 また濁流にのまれて妻を失い、飼い犬のゴン太とゲートボール場の小屋で一晩過ごしたという小嶋重美さん(69)。懇談終了後、「美智子妃殿下から最後にうちのゴン太の心配までしてもらって、ありがたいと思いました」と涙で言葉を詰まらせました。

 両陛下はその後、大分県日田市役所に移動し、市内の被災者5人と懇談されました。消防団員の夫を亡くした山本佳代さん(39)に中学生2人と小学生1人の子供がいると聞き、陛下は「お子さんはまだ若いから、ずいぶん大変でしょうね」と気遣い、皇后さまは「お寂しいことですね。お体に気をつけて健康を大切に」と励まされました。

 今回のお見舞いは両陛下の強い希望で、29日に宗像市で行われる「全国豊かな海づくり大会」のための福岡県入りを一日早めて、実現しました。一日で2県を回り、移動距離が100キロに上る強行軍でした。

 天皇陛下は去年8月、退位の意向がにじむお言葉で、象徴の務めとして「人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なこと」と述べられています。

 困難に直面している人の話は、聞いていて辛いものです。どんな言葉をかければ良いのか戸惑うこともしばしばです。両陛下はその辛い役目を率先して果たされています。

 また両陛下のご訪問が報道されることにより、被災地や被災者に改めてスポットライトが当たります。被災地を忘れてはならないのだということに気づかされます。

 間もなく84歳になられる陛下と83歳の皇后さま。退位特例法が成立し、「退位」の日が現実のものとして近づいています。お二人はその日まで、全力で、国民に寄り添われていくのだと、改めて感じた一日でした。

[TBS解説室長/宮内庁担当 牧嶋博子]

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