TBSの動画ニュースサイト TBS NEWS

出版大手社長「図書館で文庫本貸さないで」、売れ行きに影響は

出版大手社長「図書館で文庫本貸さないで」、売れ行きに影響は

 大手出版社の社長が13日、文庫本をめぐって、ある注目すべき発言をしました。出版不況と言われる中、文庫本の売れ行きに関係しているのでしょうか。

 今年はカズオ・イシグロ氏のノーベル賞受賞など、読書ファンにはうれしいニュースもありました。しかし、今、文庫本をめぐって、ある議論が持ち上がっています。

 「図書館は文庫の貸し出しを、できればやめていただきたい。これはお願いでございます」(文芸春秋 松井清人社長)

 大手出版社・文芸春秋の松井社長自ら図書館に提案したのは、文庫本の貸し出しの中止。13日、図書館関係者が集まった会議の場で、一石を投じたのです。

 実際、神奈川県海老名市の海老名市立中央図書館では、およそ7000冊の文庫を所蔵しているといいます。

 Q.借りる本に文庫は含まれる?

 「赤川次郎」(図書館の利用者)

 「必ずそういうもの(文庫)が全部そろっているのが図書館だと思う」(図書館の利用者)

 なぜ、出版社が文庫の貸し出し中止を提案しているのでしょうか。文庫が収益の30%強を占めるという文芸春秋ですが、ここ数年、文庫本の売り上げが低迷。その背景に、図書館の貸し出しが少なからず影響しているのではというのです。

 「収益の柱である文庫を、貸し出されるのは相当につらいこと。安いからこそ手に取ってもらいやすい。“本は借りて読むものではなく買って読むもの”という常識を育てたい」(文芸春秋 松井清人社長)

 例えば、3年前に出版された1500円の「半沢直樹」シリーズの最新作。先月、文庫化され、760円と価格はほぼ半額に。文庫の発行部数は単行本よりも多く、こうした利益が作家や出版社を支えているといいます。

 Q.文庫は安いから買ってほしいと言うが?

 「安いとあまり思わない」(図書館の利用者)

 「借りられるなら借りたい」(図書館の利用者)

 文春の提案に対し、会議の出席者からは出版の不況は図書館のせいではないのではとの反論も。

 「一律に文庫を図書館に置かないでほしいというのは反対。利用者・読者の求めるものを提供するのが、図書館の役割だと思う」(図書館司書)

 本と人が出会い、読書の習慣を育む図書館。時代に合わせた努力も見られます。

 2年前に誕生した海老名市立中央図書館は、館内にBGMを流したり、飲み物も持ち込めるようにするなど、「居心地の良さ」にこだわって作られました。

 「“本に手を触れる場”自体が減っていくのが一番危機感がある」(海老名市立中央図書館 高橋聡館長)

 本に触れる機会を増やしてほしいと、貸し出しだけでなく書店も併設されています。

 「出版業界の不況が言われているのは事実。そこから図書館も、書店も出版業界も、目をそらさず、問題をみんなで解決していく。対立より“共生”」(海老名市立中央図書館 高橋聡館長)

 今回、出版社から投じられた一石は、本の文化を守ることにつながるでしょうか。

この記事の関連ニュース

10月19日(木)のヘッドライン

注目キーワード別 記事一覧

TBS NEWS アクセスランキング 10月19日 1時2分

天気・ニュース番組ダイジェスト

10月19日(木)の「社会」ニュース

10月17日(火)の「社会」ニュース

10月16日(月)の「社会」ニュース

10月15日(日)の「社会」ニュース

10月14日(土)の「社会」ニュース

10月13日(金)の「社会」ニュース

10月12日(木)の「社会」ニュース

PCサイトヘ

地震情報が入りました

ライブストリーミングが始まりました

速報の配信が始まりました

お知らせが通知されました