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患者カルテ無断閲覧、内部告発者に“退職”勧める
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患者カルテ無断閲覧、内部告発者に“退職”勧める

 大手製薬会社「バイエル薬品」が、ライバル社の薬の効果を調べるため、患者に無断でカルテを閲覧していた問題。会社内で問題を訴えた社員に、上司が会社を辞めるよう勧めていたことがわかりました。

 「やってはいけないことはノーと言える自分でいたかった」(バイエル薬品の男性社員)

 こう語るバイエル薬品社員の男性。男性は、血栓症治療薬「イグザレルト」の販売をめぐって、宮崎県の開業医に依頼して、およそ200人分のカルテを患者に無断で閲覧していました。ライバル社の薬のデータを集め、「イグザレルト」の販売を促進するため、上司から指示を受けたのです。しかし、罪の意識に耐えかね、2年前、問題のある行為が行われていると、会社のコンプライアンス室に訴えました。ところが、会社側の対応は予想もしないものでした。

 男性が録音した音声には、上司であるバイエル薬品の当時の九州支店長とのやりとりが残されています。

 「法的には問題ないですよ」(九州支店長〔当時〕)

 「問題ないわけないじゃないの、カルテ見ていいのかって。それを会社から強要されているんですから。イグザレルトを売るにあたって一番利用されたデータ。 カルテ一枚一枚、一人一人つき合わせて、そんなことさせる会社で働けるわけないじゃないですか」(男性社員)

 「(再就職先を)なんとか一回相談してみようか」(九州支店長〔当時〕)

 「クビにするかどうかですか」(男性社員)

 「円満に辞められるように」(九州支店長〔当時〕)

 九州支店長は、法的には問題ないとした上で、男性に退職を勧めてきたのです。しかも・・・

 「450万円という金額は退職一時金や。再就職支援、退職支援もし希望があればな」(九州支店長〔当時〕)

 「ないです」(男性社員)

 「ないの?」(九州支店長〔当時〕)

 「ない」(男性社員)

 退職一時金の金額まで示した上で、こんな条件も切り出しました。

 「会社の業務を通じて知り得た一切の事実や情報を厳に機密保持し、第三者に開示、漏えい、周知しない。違反があった場合には退職一時金、それをもって会社に払い戻す」(九州支店長〔当時〕)

 「これはあまりにも会社に都合がいいですわ、あまりにも。会社は一切責任を取らずに僕にだけこうやって押しつけるというか、辞めさせ方の常とう手段としか思えないんですよ。僕に(カルテ閲覧を)やらせた人たちはそのまま。結局、僕にだけ責任を取らせて、とかげの尻尾切りじゃないですか」(男性社員)

 結局、男性は会社に訴えても事態は変わらないと判断し、去年7月、厚生労働省に告発しました。

 「この会社の製薬会社の闇の部分をオープンにしなくてはいけない。日本の医療業界はおかしいぞ」(バイエル薬品の男性社員)

 男性は体調を崩し、休職していますが、現在も社員のままです。

 「会社のコンプライアンス室は、会社を守るためにある 。この人たちにはまともなことを話しても、意味が通じないんだろうなと」(バイエル薬品の男性社員)

 内部告発をした社員に退職を勧めたことについてバイエル薬品は、「外部の専門家を交え、さらなる事実関係を検証している」としています。

 専門家は・・・・

 「問題が起きたのは地方の一営業所かもしれないが、少なくともコンプライアンス部門に上がったあとは会社全体の問題。非常に大きな問題だと思います」(薬害オンブズパースン会議 水口真寿美 弁護士)

 厚生労働省は、カルテの無断閲覧をめぐる詳しい経緯を調査しています。

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