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TBS NEWS

2020年11月16日

今週の注目「ホンダ、世界初レベル3の自動運転車を発売へ」

[ TBS報道局 解説・専門記者室長 播摩卓士 ]

 世界初となるレベル3の自動運転車がお目見えします。

 大手自動車メーカーのホンダは、11日、高度な自動運転の機能を搭載したレベル3の乗用車を今年度中に日本国内で発売すると発表しました。自動運転は機能によってレベルが1から『完全自動』の5までに、分かれており、現在、多くの車に搭載されている、自動ブレーキや車線をはみ出さない機能などは、レベル1や2とされています。レベル3は一定の条件の下ではハンドルやブレーキなどすべての運転操作を自動にできるというもので、具体的には高速道路で一定の速度以下に渋滞した場合を想定しています。

 ホンダは、このレベル3のシステムを搭載したレジェンドが、国土交通省から型式認証を取得したことを受けて、今年度中に発売するとしています。レベル3の車の実用化が承認されたのは世界で初めてのことです。

 5つに分かれている自動運転のレベルの中で、2と3は決定的に違っています。レベル1、2は運転支援であり、運転の主体はあくまでドライバーです。従って、ドライバーは前方から目を離すことはできず、もちろん「ながら運転」は禁止です。その一方、レベル3以上になると、運転の主体はドライバーという人ではなくシステムに変わります。ですから、レベル3になれば、そのシステムが機能している間は、ドライバーは前方から目を離すことができ、スマホやテレビを見ても、あるいは食事をしても構わないというわけで、ドライバーのいわば自由度は格段に広がります。

 そして、レベル3が4、5と進むに従って、運転をシステムに任せられる条件、ケースが次第に広がっていくという仕組みになっており、今回のホンダ・レジェンドでは、高速道路で、気象条件が一定の範囲内で、渋滞など一定速度以下の場合など、限られた場合にだけシステムが主体になるということになります。逆に言えば、渋滞が解消されたり、高速道路を出たり、或いは運転中に天候が急変したりした場合には、運転の主体をシステムからドライバーが引き継がなければなりません。ドライバーは条件が変わった場合には運転を引き継げる態勢はとっておかなければなりません。システムから人への引き継ぎが円滑にできるのかは今後の普及の重要な要素になりそうな気がします。

 世界中の自動車・IT企業が鎬を削る自動運転の世界で、日本メーカーがレベル3の先陣を切ったことは勇気づけられることで、今後、開発競争にますます弾みがつきそうです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 11月15日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局 解説・専門記者室長)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。