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TBS NEWS

2020年9月28日

今週の注目「米加州、ガソリン車を2035年までに販売禁止」

[ TBS報道局 解説・専門記者室長 播摩卓士 ]

 ガソリン車の命はあと何年なのか、カリフォルニア州がひとつの答えを出しました。

 アメリカ・カリフォルニア州のニューサム知事は、23日、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を2035年までに事実上禁止する行政命令に署名しました。これによって、それ以降は、州内で販売される新車の乗用車は、排出ガスを出さないゼロエミッション車にすることが義務付けられます。一方、すでに保有しているガソリン車の利用や、中古車の売買などは妨げられないとしています。

 カリフォルニア州によれば、州内で排出される温室効果ガスの50%以上を運輸部門が占め、新たな規制によって35%以上の温室効果ガスが削減できるとしており、ニューサム知事は「気候変動と闘うための最も影響力の大きなステップだ」とその理由を述べると共に、記録的な山火事などをあげて対策の必要性を強調しました。

 すでにヨーロッパではイギリスが2035年、フランスが2040年までにガソリン車の販売終了を打ち出していますが、アメリカでこうした措置を決めたのはカリフォルニア州が初めてで、これまでも環境規制でさきがけの役割を果たしてきた州の決定だけに、大きな影響を与えそうです。

 人口4000万人を超えるカリフォルニア州は、国にすれば世界第5位の経済規模にあたり、年間の新車登録台数は209万台と全米の11%に及びます。中でも日本車のシェアは46%と際立っており、EV=電気自動車などのゼロエミッション車で出遅れている日本メーカーには大きな逆風となります。日本が誇るHV=ハイブリッド車はゼロエミッションとはみなされないとされており、トヨタ自動車などは今後、戦略の変更を迫られる可能性もあります。

 日本の自動車メーカーがいつ電気自動車に大きく舵を切るのか、いよいよ大きな判断を迫られる時が近づいてきているようです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 9月27日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局 解説・専門記者室長)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。