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TBS NEWS

2020年7月27日

今週の注目「テスラ、コロナ禍でも黒字を確保」

[ TBS報道局 解説・専門記者室長 播摩卓士 ]

 アメリカの電気自動車大手・テスラが、このコロナの下でも黒字を確保しました。テスラが22日発表した今年4-6月期の決算は、新型コロナウイルスの影響で生産・販売が落ち込んだことから、売上高が60億3600万ドルと前年同期比で5%減少したものの、最終利益は1億400万ドルの黒字と、4四半期連続で黒字を確保しました。4-6月期は、アメリカ、カリフォルニアの工場が新型コロナウイルスの影響で長らく操業停止に追い込まれたものの、一足早く感染が収まった中国の上海新工場の本格稼働が生産と販売を下支えした形です。電話会見したイーロン・マスクCEOは、大方の予想を覆す黒字確保について、「自動車産業が大きく収縮する中で上昇を続けた」と自信を示した上で、テキサス州オースティン郊外に新工場を建設することを明らかにしました。

 領事館の閉鎖命令合戦など、米中の政治的な対立が先鋭化する一方で、アメリカ企業にとっては米中の相互依存が深まっていることを改めて印象付けた決算となりました。米中対立は直接、安全保障に関係するハイテク・通信分野から激しさを増しているわけですが、これがどの分野まで広がっていくのかが当面の大きな焦点です。

 テスラについては、3週間前のこのコラムで、「株価が高騰し、時価総額でトヨタを抜いた」というニュースをお伝えしましたが、株価はその後もデコボコがありながらも続伸しており、トヨタばかりか、それにホンダ、日産をたした合計をも上回り、一時は日本の自動車メーカー9社の時価総額合計までも、上回る日も出ています。

 株価の正当性を判断するのは難しいところですが、この4-6月期でも黒字を確保したという事実は、強気派にさらに理由を与えたことは間違いありません。

(BS-TBS「Bizスクエア」 7月26日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局 解説・専門記者室長)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。