2020年7月3日
[ TBS科学担当解説委員 齋藤泉 ]
7月1日からコンビニやスーパーなどの小売店でプラスチック製レジ袋の有料化が義務付けられた。プラスチックごみによる海洋汚染の問題などを受けた措置。しかしコロナ禍の中、これまで推奨されてきたマイバッグは衛生面での不安もある。どう対応したらいいのかを考える。
そもそも有料化は「容器包装リサイクル法」の省令を改正して行われた。省令とは各省庁、この場合は経済産業省で、経済産業大臣が発した命令。 すべてのレジ袋が有料化されるわけではない。
対象外となるのは経産省のHPによれば…
1.プラスチックのフィルムの厚さが0.05ミリ以上のもの
繰り返し使用が可能であることから、プラスチック製買物袋の過剰な使用抑制に寄与するためです
2.海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの
微生物によって海洋で分解されるプラスチック製買物袋は、海洋プラスチックごみ問題対策に寄与するためです
3.バイオマス素材の配合率が25%以上のもの
植物由来がCO2総量を変えない素材であり、地球温暖化対策に寄与するためです
加えて、スーパーなどで総菜や生鮮商品を入れる持ち手のない袋(透明なビニール袋のこと)
ただし、注意しなければいけないのは、対象外=無料ではない。店舗やチェーンによっては有料となる場合もある。
コンビニ大手3社(セブンイレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン)では大中小が税抜きで3円(セブンイレブンでは特大サイズが税抜き5円)スーパーではだいたい小が3円、大が5円といったところ。
ちなみに百貨店ではプラスチック製レジ袋をやめて有料の紙袋にするとこもあり対応はまちまち。また消費税率がレジ袋は10%なので、食品などを買うとレシートに2種類の税率が混在することになる会社で精算するときなどには混乱する。
スーパーではすでに多くの店舗が有料化していてマイバッグを持参して買い物に行く人が増えている。新型コロナ感染が広がる前なら「マイバッグ持参を!」ということだが、マイバッグに対しては衛生面での不安が指摘されている。
そこで 「マイバッグについては小まめに洗って使うようにする」ことが大事。
もう一つ、こんな便利な商品も出ていることを発見した。
ハンカチ型のマイバッグ。ハンカチなら毎日持ち歩くし洗濯もする。
実は約30年前に沖縄のスーパーマーケット協会の会長と話す機会があった。その時に、これからマイバッグを導入するといると言っていた。1ついただき、我が家では今でも重宝している。
沖縄ではすでに海洋汚染の問題が深刻化していた。このため沖縄のスーパー業界ではいち早くマイバッグという発想が出てきたのだと思う。
本来、環境汚染への対応は自発的に行うべきだ。しかし、法律で強制力を持たせなければならないところまで来ている。そこまで深刻化していることを改めて考えるべきだろう。
齋藤泉(TBS科学担当解説委員)
経産省、文科省、外務省など10の省庁を担当。先端技術、ロボット、次世代エネルギー、情報通信など取材。東日本大震災後は福島第一原発の廃炉の現場取材を継続。趣味はジャズと映画鑑賞。合気道二段。