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TBS NEWS

2020年3月23日

今週の注目「28年ぶり、ついに地方も地価上昇に」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 国土交通省が18日発表した今年の公示地価によりますと、4つの地方中核都市を除いた地方圏の地価が、全用途平均で前の年より0.1%上昇しました。4市を除いた地方の地価がプラスになるのは、なんと1992年以来28年ぶりのことで、地価の回復傾向が全国的に広がっていることが裏付けられました。

 公示地価の地域は3つにカテゴリーに分かれています。東京、名古屋、大阪の3大都市圏、札幌、仙台、広島、福岡の4つの地方圏中核都市、そして、それ以外の地方圏です。それぞれの地域についての商業地と住宅地、全用途平均が発表されています。

 3大都市圏と、地方中核4市については、すでにプラスに転じていましたが、4市以外の地方圏については、去年も、全用途平均で0.2%のマイナスと、地価の下落が続いていました。しかし、今年は住宅地でもわずかにプラスになり、全用途平均で0.1%の上昇に転じたものです。これで公示地価はすべての地域、用途のカテゴリーで上昇になったわけで、28年かけてようやく「バブル崩壊の時代」が終わったことになります。

 もっとも先行きは不透明です。平均では上昇に転じたとは言っても、地方の調査地点のうち、上昇した地点は37%に過ぎず、多くの地点では人口減少もあって、依然として下落が続いています。中心部の再開発やインバウンドブームによるホテル需要など、一部の上昇が全体を押し上げたにすぎません。しかも、今年の公示地価は1月1日時点のもので、その後に起きたコロナショックは全く反映されていません。コロナショックの行方は未だ見通せませんが、バブルと言っても良いここ数年のインバウンドブームが簡単に元に戻ると期待するのは無理があります。

 ようやく訪れた28年ぶりの地方の地価上昇、グッドニュースには違いありませんが、とてもホッとしていられる状況にはありません。

参考)中核4市を除く地方圏
全用途 2020年 0.1%、 2019年 ▲0.2%
住宅地 2020年 0.0%、 2019年 ▲0.2%
商業地 2020年 0.3%、 2019年  0.0%

(BS-TBS「Bizスクエア」 3月22日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。