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TBS NEWS

2019年7月8日

今週の数字「60兆3563億円」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 財務省は2日、昨年度=2018年度の国の税収の総額が、60兆3563億円と、前の年度より1.5兆円増えて、過去最高になったと発表しました。これまでの国の税収の最高額はバブル絶頂の1990年度の60.1兆円でしたので、28年かけてようやく当時の税収を越えたというわけです。所得や消費が順調に増えていることを反映したと結果とも言え、参議院選挙に向けて政権・与党にとっては、アベノミクスの成果としてアピールしたいところでしょう。

 内訳を見ると、所得税が給与や株式の売却益の増加などを反映して19.9兆円と前の年度より1兆円増加し、全体の33%を占めています。ついで消費税が17.7兆円と全体の29%を占めています。消費税も前の年度よりは増えていますが、基幹3税の中で唯一、予算額には達せず、政府の目論見ほどは消費が伸びなかったことを示しています。法人税は企業収益の改善を受け12.3兆円と20%を占めました。

 これまで過去最高だった1990年度と比べてみると、当時、消費税は導入2年目で税率3%でしたので4.6兆円と全体の7.6%に過ぎませんでした。それが今や3割近くを占めているわけで、その重要性が著しく高まったことを表しています。一方、法人税は国際競争力維持の観点から税率そのものが大きく引き下げられている上、企業収益に対する海外での稼ぎの比率が高まっていることもあって、少しづつ全体に占める割合が地位が小さくなっています。消費税率は今年10月には10%に引き上げられることになっており、税収に占める存在感は益々大きくなるでしょう。

 なお、税収が60.3兆円と過去最高になったといっても、国の歳出は100兆円を超えていますので、残り40兆円のほとんどは、国債による借金であることに変わりはありません。

(BS-TBS「Bizスクエア」 7月7日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。