NEWSの深層

TBS NEWS

2017年12月11日

AIとの融合進むロボット技術の最前線 ~過去最大規模の国際ロボット展

[ TBS科学担当解説委員 齋藤泉 ]

  • パワーアシストスーツ型のロボット開発は新たな局面に
  • AI(人工知能)との融合が「ロボット革命」を起こす
  • IoT技術の導入でロボットによる生産効率がアップ

 2年に1度の「国際ロボット展」が、今年も11月29日から12月2日まで東京・江東区にある東京ビッグサイトで開催された。今年参加した企業や団体は612に上り、2015年の446を大きく上回る、過去最大規模になった。

■パワーアシストスーツ型のロボット開発は新たな局面に

 今年の「国際ロボット展」のサービス用ロボット会場で、特に目についたのは、作業の負担を軽くするパワーアシストスーツ型のロボットだ。この分野はベンチャー企業の参画が多く、大学の研究室が企業を立ち上げて出展する展示ブースが多く見られた。このアシストスーツ型のロボットは、当初は、リハビリ用の開発から始まったが、ここ数年は、高齢化社会や労働力不足などを背景に、重い物を運ぶ作業などの負担を減らすアシストスーツの開発が急ピッチで進められている。特に今年は農業や林業での労働をサポートするアシストスーツが多く、重さ15キロの荷物を背負って坂道を歩くことができるという製品も登場、アシストスーツ型ロボットの技術開発は新たな局面に入ったと言える。

■AI(人工知能)との融合が「ロボット革命」を起こす

 今回の「国際ロボット展」のテーマは「ロボット革命がはじまった」というもの。最近のロボット技術で注目されているのは、やはりAI=人工知能との融合だ。AIによってディープラーニング(深層学習)を行うことで、軟らかいタオルをたたむなど、人間と同じような作業を行うことが可能になる。AIロボットはベンチャー企業や大学が特に力を入れていて、産官学での開発が進められている。

 このほか、大学や高専などの研修者が開発したユニークなロボットが数多く出展され、来場者の目を引いた。足のにおいを測定する可愛い子犬型のロボットや自動で目薬を差してくれるロボットなど。彼らの自由な発想が将来の日本のものづくりを支える力になるのだろう。

■IoT技術の導入でロボットによる生産効率がアップ

 ものづくりと言えば、「国際ロボット展」で、出展会場の大部分を占めているのは産業用ロボットだ。重さ2000キロの自動車を軽々と持ち上げる“世界最強”のアーム型ロボットなどは間近で見ると圧巻の迫力だ。日本ではロボットというと「鉄腕アトム」の影響か、二足歩行のロボットを思い浮かべる人が多いが、世界のものづくりの現場で活躍しているのは、こうしたアーム型のロボットが圧倒的に多い。

 今、産業用ロボットではIoT(Internet of Things=モノのインターネット)技術の導入が注目されている。ロボットを含めた製造現場のすべての機器をIoTでつないでデータを収集・分析することで、生産効率を飛躍的に高めることが可能になるという。かつての“産業革命”ならぬ“産業用ロボット革命”が始まろうとしている。

齋藤泉

齋藤泉(TBS科学担当解説委員)

経産省、文科省、外務省など10の省庁を担当。先端技術、ロボット、次世代エネルギー、情報通信など取材。東日本大震災後は福島第一原発の廃炉の現場取材を継続。趣味はジャズと映画鑑賞。合気道二段。