NEWSの深層

TBS NEWS

2017年4月17日

皇室取材余話【2】東京のど真ん中の馬車行列~信任状捧呈式

[ TBS解説室長/宮内庁担当 牧嶋博子 ]

 皇居前を通る美しい馬車行列。午前中に皇居周辺を歩いていると、馬車行列に出くわすことがあります。これは、新たに日本に赴任する外国の特命全権大使が、皇居に向かうための馬車行列です。皇居では、新任大使が本国の元首からの信任状を天皇陛下に捧呈するための儀式~「信任状捧呈式」が行われます。

 4月14日にはエクアドルとモルディブの大使一行がそれぞれ時間を分けて馬車行列で、皇居に入りました。今回の映像は、午前10時過ぎに二重橋前の皇居前広場から馬車行列を、私がスマートフォン撮影したものです。

 この式に臨む際の送迎には、「馬車」か「車」かを、大使側が選ぶことができます。多くの大使が馬車を選ぶということです。この美しく飾られた馬車は「儀装馬車」と呼ばれます。現在、宮内庁には4台の儀装馬車があります。昭和天皇即位の際に使われた儀装馬車1号。天皇陛下が即位の礼に使用された2号。そのとき皇后さまが使われた3号。そして、信任状捧呈式の際に使われている4号です。いずれも、大正から昭和にかけて製造され、美術・工芸的価値の高いものです。

 信任状捧呈式の送迎の際に馬車を使う国は王室のあるイギリス、スペイン、スウェーデンなどに限られています。日本に新任する大使が送迎に馬車を選ぶ気持ちが分かるような気がします。

 春の観光シーズン。14日の皇居周辺には数百人の外国人を含む観光客の姿がありました。突然の馬車行列の出現に、「これは何?」「誰が乗っているの?」と、英語以外の言語は推測ですが、さまざまな言語の言葉が交わされていました。

 馬車行列の往路は、日比谷通り沿いの明治生命館から馬場先門交差点を通って、二重橋から皇居正門を通るというもの。東京のど真ん中、アスファルトの道路を行く馬車行列はなかなかの見ものです。宮内庁のHPには、信任状捧呈式の馬車行列が行われる日時やコースが掲載されます。みなさまも機会があるときに、見学に訪れてみてはいかがでしょうか。

牧嶋博子

牧嶋博子(TBS解説室長/宮内庁担当)

1983年にアナウンサーとして入社。87年から記者として、労働省、文部省、都庁、環境省、厚生労働省を担当。現在解説専門記者室長として宮内庁を担当。夫との共著「中学受験で子どもと遊ぼう」。