現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年1月20日【琉球放送】
廃車の窓ガラスが「琉球ガラス」に変身

廃車の窓ガラスの処理に頭を悩ませていた沖縄県の業者が連携したのが「琉球ガラス」の職人たち。循環型の社会をどう作ればいいのか?沖縄からの報告です。

「盛り付けた時に魚が泳いでいるようなイメージ。目の前で握っているとものすごくきれい」(江戸前鮨二鶴 すし職人 船橋節男さん)

すし職人の仕事を引き立てる涼し気な器。その原料となっているのは…廃車の窓ガラスなんです。

廃車のリサイクル事業を行う沖縄県うるま市の拓南商事。こちらでは、月におよそ6600台の廃車を解体していますが、その際、リサイクルできない窓ガラスに頭を悩ませていました。県外の埋め立て処分場に送るなど、処理コストは月に600万から700万円にも上ります。

「処分費の大半が運送費で占めている。経済面でも厳しい、環境面においても良くない。事前に回収してガラスをリサイクルできないか」(拓南商事 リサイクル事業部課長代理 名波和幸さん)

そんな時、出会ったのが糸満市の琉球ガラス村です。2社で協力し、廃車の窓ガラスを原料にしたシリーズ、その名も「mado」を生み出しました。

かつて琉球ガラスは、米軍施設から出るジュースなどの空き瓶、いわゆる「廃ガラス」を原料としていました。しかし、時代の流れとともに原料として空き瓶を集めにくくなったことや、土産品としての需要が高まり量産が求められることから、石灰などを調合した原料で生産するようになりました。

「これまで観光需要で土産品として、幸い選ばれてきたが、昨今の環境に対しての意識を取り入れていこうという気風もあった。(廃ガラスを使っていた)歴史を持った中で、再度見つめ直す機会になった」(琉球ガラス村 取締役 川上英広さん)

琉球ガラス村にとっては、まさに“原点回帰”となった取り組み。廃ガラスの仕入れ価格は、これまでの半額程度になりました。さらに、拓南商事にとっても窓ガラスの処理コストが削減でき、企業にも環境にも優しいガラス製品が誕生したのです。

「県内でリサイクルできる資源が循環できることに関して、我々にとっては非常に大きなメリット。種を蒔いていたのが実ってきたかな」(拓南商事 リサイクル事業部課長代理 名波和幸さん)

「持続可能な資源の活用ということで、器を通して何か問題提起ができるようなきっかけ作りになるのかな」(琉球ガラス村 取締役 川上英広さん)