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2020年1月11日【毎日放送】
廃棄ロス減らせ AIで“最適発注”あるスーパーの挑戦

今回は「つくる責任、つかう責任」、人工知能AIを使って廃棄ロスを減らすことを目指すスーパーマーケットを取材しました。

愛知県津島市のスーパーマーケット「ヨシヅヤ」。店長が、なにやらタブレット片手に夕方の商品の並べ方について指示を出していました。

Q.夕方の品出しはどうするのか?

「ここのところが雨マークなくて曇りマークになっているので、きょうは、夕方は十分に商品を揃えて対応するっていう指示を出しました」(ヨシヅヤ津島本店 古川茂徳 店長)

店長が頼りにしていたのは「売りドキ!予報」というアプリでした。刻一刻と変わる天気と気温や週間予報を参考に、商品の売れどきを予測するというもので、この日は…

「週半ばから気温が上がって、日曜日、月曜日にかけて気温が下がる。ちょうどここで出てきているのが、シメジとかキノコ・マイタケ、キノコ類と…白菜。おそらく気温が上がって下がってきたときに鍋物の野菜が売れている」(ヨシヅヤ津島本店 古川茂徳 店長)

鍋物野菜といわれるキノコ類や白菜が「売りドキ」となるため、週末にかけ、発注を増やします。このアプリを開発したのは「日本気象協会」です。およそ3年をかけ、アプリの製品化にこぎつけました。

「天候が昔と変わって劇的に変わりやすい。ベテランの店員でも(商品発注を)予測するのが難しいっていう声を聞いている。特に最近は温暖化等の影響があり、気象災害に関して関心も高くなっている」(日本気象協会 商品需要予測プロジェクト 齋藤佳奈子 サービスプランナー)

ただ単に天気予報を参考にするだけでなく、ツイッターの「暑い」などのつぶやきと気象データの関連性をAIで分析し、「体感指数」という独自の指標を導入しました。さらに、気象協会に残る過去3~5年分の気象データや国内の小売店およそ6000店舗の売れ行きといった情報も合わせ、商品需要を予測しているのです。

店を取材をした日は、週末に台風が接近していました。そのためアプリには、週末の台風接近前に気温が一時上がるという予報が出ていて、そのタイミングで、飲料水などが売れるという予測が出ていました。

「明日の発注以降は週末にかけて、飲料や夏場に動いた商品群の発注を増やしてください」

実際、店ではミネラルウォーターなどの発注を普段の2倍に増やして対応、台風接近直前にちょうど売り切れたということです。今後はアプリを食品ロスにも活用し、廃棄率ゼロを目指したいとしています。

「売り上げを上げたいっていうのはもちろんなんですけど、できるかぎり発注精度を上げることによって、食品ロスを少なくするっていうことも店のテーマですし、社会のテーマにも繋がるのかなと思っています」(ヨシヅヤ津島本店 古川茂徳店長)