JNNプロジェクト“災害列島日本”

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2018年10月16日放送

西日本豪雨自治体の苦悩明らかに

 7月の西日本豪雨について、JNNは広島・岡山・愛媛のすべての市町村にアンケートを実施しました。結果から見えてきたのは、住民の命を預かる自治体が責任の重さに悩む姿でした。

 今年7月に発生した死者・行方不明者が233人にのぼった西日本豪雨。避難勧告や避難指示などの情報が住民の避難行動につながらず、被害の拡大を招いたと指摘されています。

 そこでJNNでは、特に被害の大きかった広島・岡山・愛媛の全70市町村を対象にアンケートを実施しました。避難情報の発令について改善すべき点があったかと思うか聞いたところ、8割以上にあたる57自治体が「改善すべき点がある」と回答。7割以上の50自治体が「今後、発令の基準やマニュアルを見直す」と回答しました。また、発令にあたって感じた課題について聞いたところ、「避難勧告・避難指示の意味を理解していただけていない」、「情報を得る手段がない高齢者や情報弱者への周知が課題」、「危険を実感しなければ、避難行動を起こしにくいのが人の心理かもしれない」などの回答がありました。

 このアンケート結果について防災情報の専門家は…

 「これだけ避難情報が出ながら逃げなかった人がいたということは、情報を出す側がその情報に込めた危機感が伝わってなかったんじゃないか。情報を出す方は、ただ『情報出したよ』ではなくて、その情報がどういうふうに受け止められて、どういうふうに利用されたかまで検証する責任があるはず」(国士舘大学 山崎登教授)

 また、避難勧告や避難指示をそれぞれの市町村が発令する現在の体制について、12の自治体が「課題がある」と回答。「自治体が気象情報を分析し、発令を決めるのには時間がかかる」、「基準・タイミングが市町村によってまちまち」、「専門機関である気象庁が発令した方が現実的ではないか」などの指摘がありました。

 「でもやっぱり自治体がやらなくちゃいけない。ここは高齢者が多いんだとか、ここには体の不自由な人がいるんだとか、住民の地域性みたいなものを分かっているのは、やっぱり市町村ですから。自治体は、防災対策から逃げられないと思います。ただ、その自治体をどうやってサポートしてあげるかという仕組みを、国や都道府県はもっと考える必要がある」(国士舘大学 山崎登教授)