JNNプロジェクト“災害列島日本”

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2018年3月15日放送

南海トラフ巨大地震“駅前の備え”は?

 今回は、南海トラフ巨大地震についてお伝えします。国民の半数が被災する恐れのある、この巨大地震。都市部では、大勢の人たちが行き交う駅前の備えも大切です。“230万都市”名古屋での課題を探りました。

 リニア中央新幹線の開通に向け、高層ビルが増えてきた名古屋駅。駅前の展望台に防災の専門家とのぼってみると・・・

 「向こう側にあるのが名古屋港ですか?」(記者)

 「はい。あれがもう海なんです。中川運河を津波が遡上してくれば、意外と津波がくる印象持ちません?」(名古屋大学減災連携研究センター 福和伸夫センター長)

 これは明治19年。旧名古屋駅が開設された当初の写真。周りは池。湿地帯だったことがわかります。蒸気機関車の煙や騒音を避けて、駅舎が街の外れにつくられていたのです。

 名古屋駅の近くにある海。南海トラフ巨大地震では、名古屋港にも津波が押し寄せ、「低い土地」が浸水するおそれがあります。

 「水害の危険性も高いし、柔らかい地盤なのでよく揺れるし、液状化する」(名古屋大学減災連携研究センター 福和伸夫センター長)

 その「低い土地」につくられた名古屋駅も、今や東京、大阪などと繋がる交通の要。駅前ビルの地下には名古屋市が管理する災害時の備蓄倉庫がありますが・・・

 「あら?空っぽ」(名古屋大学減災連携研究センター 福和伸夫センター長)

 「段ボールは少しありますが・・・」(記者)

 帰宅困難者のための備えは、およそ2万5000人分の簡易トイレだけ。名古屋市は備蓄を増やそうと予算を申請していますが、名古屋市民以外の利用も想定されるため、多額の税金を使うことを簡単には決められないというのです。

 「もったいないですね。このスペース。お手洗いの前に(まず)食料や水が必要」(名古屋大学減災連携研究センター 福和伸夫センター長)

 「それがまだ(準備)できていない状態。(市外の)帰宅困難者の備えを名古屋市の公費で対応するものなのか。なかなか難しい部分があって」(名古屋市防災危機対策室 半田修広室長)

 「南海トラフ巨大地震」では、名古屋駅前の帰宅困難者は7万7000人にのぼるとの試算もあります。「行政区域」の壁を越えた備えが今、求められているのです。