【現場から、】西日本豪雨災害

【現場から、】2018年8月6日(月)

西日本豪雨災害、被災1か月の「今」

死者220人、行方不明者11人、15府県にまたがり被害を出した西日本豪雨から1か月となりました。検証を重ねるにつれ、その「猛威」と「災害への備え」の重要性がクローズアップされています。被害の大きかった広島、岡山、愛媛から1か月たった「今」を伝えます。

広島県呉市天応中学校では先月の豪雨でグラウンド近くの山が崩れ、大量の土砂や大きな岩などが流れ込みました。1か月がたった今も、ほとんど手つかずの状態で残されたままです。こちら、天応地区ではおよそ500戸の住宅が被害を受けました。

広島県は、この天応地区の応急復旧計画を取りまとめました。土石流が発生した渓流に大型の土のうや、土石流を感知するワイヤーセンサーを設置すること、さらに住宅や道路などにある土砂の撤去など、再び雨が降ったときに新たな土砂災害を防ぐための緊急対策を今月末までに完了させるとしています。まずは住民が直面している最も大きな不安を解消するためです。

ただ、こちらの天応中学校ではグラウンドにたまった土砂を撤去しても、崩れた山への対応は、まだ固まっていません。夏休み明けから、しばらくの間、近くの小学校の教室を借りて授業を行うことが決まりました。ただ、天応地区全体でも、道路や川の土砂は撤去しても住宅の再建という重い課題に住民の皆さんは直面しています。

本格的な台風シーズンを控え、二次災害への不安も募る中で、生活再建への課題は山積みといえそうです。

町の3割が水没した岡山県倉敷市真備町です。ここは、あの夜、およそ80人が取り残された高齢者施設「ライフタウン真備」の屋上です。ここから町の中を見てみますと、一時期、道路などに高く積まれていた災害ごみがきれいに片付けられているのがよく分かります。

特別警報が出されていた先月7日の未明、小田川など3本の川から水があふれ、倉敷市真備町は4600戸が水に浸かりました。2階まで水没した建物も多く、真備町だけで51人が死亡しました。

それから1か月がたち、浸水の直後に始まった堤防8か所の仮復旧工事は今月3日に完了し、元の高さに戻りました。しかし、土のうを積み、シートをはっただけで、本格的な工事は台風の季節が終わった秋以降です。

町では猛暑の中、片付けや復旧が続いています。使えなくなっていた倉敷市役所の真備支所は今月4日、水没を免れた2階を使って一部の業務を再開しました。しかし、もとの生活は戻らず、自宅を離れる人も少なくありません。岡山県全体では61人が死亡し、およそ2200人が避難所での生活を続けています。

豪雨から1か月。6日も倉敷の気温はすでに33度を超えています。

愛媛県大洲市です。私がいる、この公園は災害ごみの仮置き場となっていて、本来なら家族連れで賑わうはずのこちらのプールも、今年の営業は中止となりました。豪雨災害は子どもの遊び場まで奪っています。

大洲市は肱川の氾濫や土砂崩れで4人が亡くなりました。幹線道路では未だ営業再開の見通しが立たない店舗が目立つほか、被災した公園は使用が禁止され、住民からは「憩いの場所がない」という声も聞かれます。

「ずっと家にいさせるわけには・・・、ストレスもたまってしまうし」(1歳児の母親)

こうした中、被災を免れた児童館には一時、例年の5倍の親子が訪れ、混雑したといいます。

「日常の遊んでいる場所がないということで、(子どもたちが)はしゃぎ過ぎたり、抑えられない気持ちの高ぶりも見られた」(「喜多児童館」梅原操館長)

館長によりますと、被災当時の気持ちを語り合うことで、落ち着きを取り戻す親子も多いということです。

被災地では花火大会など夏休みのイベントが相次いで中止されています。子どもの遊び場を早く取り戻すことも住民の切実な願いです。(8月6日11:36)

Copyright© Tokyo Broadcasting System Television, Inc./ Japan News Network