【現場から、】西日本豪雨災害

【現場から、】2018年8月4日(土)

日頃の備えで100人全員無事避難

今回の豪雨災害では、一帯が土砂に襲われながらお年寄りを含む100人近い住民が、全員無事だった地区があります。緊急事態での避難に功を奏したのは、日頃からの特別な備えでした。

「恐ろしい、足が震えて。ひどいことになっている。怖いね」

自宅から程近い道路が崩れた様子を見て、立ちすくむ女性。空き地に積まれているのは、泥まみれの洗濯機やタンスなどの家財道具。家の中まで大量の土砂が流れ込んでいたことがうかがえます。

東広島市の住宅地、多くの高齢者が住む「洋国団地」。およそ50世帯のうち6割が被災しましたが、人的被害はなかったのです。

「よそ見していたらここで死んでいるかどうか。1秒違い」

道路や家が土砂に襲われる前に、高齢者たちはどのようにして避難したのでしょうか。

「(移動する)車ないですね。連れて行ってもらわないとどうにもならない」
「2人とも足が悪くて自由に歩けない。(大野さんに)頼っています」

高齢の夫妻が避難を手伝ってもらったという大野さん。この住宅地で日頃から、もしもの事態への備えを主導してきました。

「高齢化が進んでいる。足が悪い人もいるし、行動が判断しにくいところがある」

避難に助けが必要な高齢世帯などを把握し、緊急事態の際に誘導・介助する担当者をあらかじめ決めていたのです。

「『Aさんは誰』『Bさんは誰』と決めていた」

足の不自由な夫と暮らす大柄さんが、降り止まない雨に恐怖を感じたのは、6日の夕方でした。まだ避難指示は出ていませんでしたが、迷うことなく「担当者」の大野さんに電話をして助けを求め、夜になる前に車で避難所に運んでもらったのです。その夜が明けようとするころ、住宅地を土砂が襲いました。

「避難しなければ危ないと、土砂降りのところを来てもらった。(大野さんは)ようしてくれるから、頼りきってる」

「人に迷惑をかけたくない」「まだ大丈夫ではないか」。そんな思いから、高齢者や体の不自由な人が躊躇しがちな早めの避難。日頃から声をかけ合って担当者を決めていたことによって、躊躇なく助けを求めることができ、命が救われました。(8月4日17:41)

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