【現場から、】西日本豪雨災害

【現場から、】2018年8月3日(金)

被害深刻、農家の思いは

西日本豪雨は農業にも深刻な被害をもたらし、未だその全容は明らかになっていません。農家は何を思うのか、広島からの報告です。

「(7月)7日の朝に来たら、この道が約200メートル、土砂と流木が流れていて」(農事組合法人「うづと」兼国幸秀代表)

ビニールハウスを襲った土石流。中はグリーンアスパラの畑でした。広島県の中央部にある世羅町です。宇津戸地区では、2年後の東京オリンピックへの食材提供を目指して、「JGAP」という安全認証を取得したグリーンアスパラを生産しています。水が引いた畑には流れ込んだ土砂が堆積。その厚さは、多いところで30センチ以上。土砂は乾くと固くなるため、アスパラは芽を伸ばすことができません。それでも、被害の少なかった畑で土砂を取り除きながら収穫を再開しました。

「ここでへこたれない。自分たちで道を作って、道にそぐうよう努力していかないといけない」(兼国幸秀代表)

安芸高田市では川が氾濫、チンゲンサイ農家のハウスが浸水被害に遭いました。

「浸水しだしたら速かった。一気につかった」(チンゲンサイ農家の岡田耕治さん)

収穫中のチンゲンサイは出荷を断念、植え直しました。今は日中50度を超えるというハウスの中で、今月中旬の出荷再開に向けて汗を流しています。

今回の事態を受け、岡田さんは排水設備の必要性を痛感しましたが、費用面がネックです。

「工事費用を個人農家で対応できるか不安」(岡田耕治さん)

町のあちこちに土砂崩れの爪痕が残る三原市大和町です。ここ、沼田武司さんの自宅でも裏山が崩れました。幸い、家の裏のため池が土砂の流入を食い止め、大きな被害はありませんでした。しかし、ため池に異変が起きていました。

「水もたまらないし、もうダメ。そこまで沼が来て土に埋まっている、樋門が」(沼田武司さん)

田んぼでは、まもなくイネが穂をつけますが、このまま枯れてしまう恐れも出てきました。

「農家として非常にさびしい気がする」(沼田武司さん)

レモンの生産量が全国一の広島県。その産地、瀬戸内の島でも山が崩れ、樹齢40年以上のレモンの木などおよそ30本が被害を受けました。

「これから1週間1か月たつと、本当に惨めな木になる。農家にとって一番悲しい現状を見る」(生産者の竹本英進さん)

生産量への影響はわずかだといいますが、地元のJAが懸念するのが、大量に流れ出た土砂が猛暑により乾燥して舞い上がった砂ぼこりです。葉や実に付着すると、病気や害虫の被害につながりやすく、品質に影響を与えてしまう恐れがあるからです。

「あちこちで土砂が残っている。全域が注意の対象」(JA広島「ゆたか」山根和貴部長)

広島県内の農業被害額は、最終的には300億円を超える見込みです。生産者の意欲をつなぎとめる支援策が求められています。(8月3日11:43)

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