【現場から、】西日本豪雨災害

【現場から、】2018年7月20日(金)

被災した高校球児たちの「夏」

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西日本が豪雨災害に襲われたのは、夏の甲子園の予選直前でした。最後の夏にかける球児の思い、地元への愛、そして、復興への気持ち。高校生たちのまなざしにご注目ください。

岡山大会去年の優勝校・おかやま山陽高校の4番・井元将也主将。今年は、特別な思いで大会に臨んでいます。

「真備町を代表して野球をさせてもらっているので、全力でプレーすることをがんばりたい」(おかやま山陽・井元将也主将)

町の4分の1が浸水した倉敷市真備町に、井元選手の自宅はあります。この日、父親の雅之さんが家の片づけをしていました。思い出が詰まった野球道具があちらこちらに。

「取っておいたやつが全部水につかって・・・」(井元選手の父親・雅之さん)

井元選手の新聞記事も水に浸かりました。

「野球どころではない」。井元選手は片づけを手伝おうとしましたが、雅之さんが止めました。周囲の人が野球での活躍を励みにしていると聞いたからです。

「『将也くん、野球どうしている?』『きょうから練習に行かせたんだ』『みんな応援している。それだけを楽しみにしているから頑張れ』って言われて、涙が出た」(雅之さん)

豪雨から4日、井元選手がグラウンドに戻ってきました。避難先も親戚の家に落ち着き、練習に打ち込めるようになりました。

「今までみんなとやってきたことを十分に発揮できるようにがんばりたい」(井元将也主将)

翌日、選手たちは、同じく被災したマネージャーの三宅彩愛さんの自宅の手伝いへ。三宅さんはあの日、2階のエアコン室外機の上に立ったまま、夜を明かしました。その時のことを思いだし、今も2階に上がれません。

厳しい暑さの中の作業。試合は目前に迫っています。しかし、監督に迷いはありません。

「(Q.まもなくですよ、大会?)いやいや、こっちでしょ。両方やりますよ、しっかり。でも、これやらないで大会行きました、じゃあ、胸に何か刺さったまま野球できますか?勝った、やった、なんて言えますか?絶対に言えない」(堤尚彦監督)

選手たちは、マネージャーの自宅以外でもボランティアに励みます。

そして18日。おかやま山陽ナインが、グラウンドで躍動します。4番・井元主将のヒットをきっかけに、打線がつながります。浸水被害を受けた部員がいる21の高校をはじめ、多くの選手たちが、豪雨被害に遭った人たちの思いを胸に試合に臨んでいます。

「野球をこういう状況でやらせてもらっているので、終わったあとに手伝いもできるので、今は全力でプレーしたい」(井元将也主将)

2回戦を突破したおかやま山陽ナインの夏は、まだ始まったばかりです。(7月20日17:12)

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