【現場から、】西日本豪雨災害

【現場から、】2018年7月19日(木)

ダム放流、情報伝達は適切だったか

ダムの放流をめぐっては、その情報伝達が適切だったのか、国と自治体、そして住民の間でも認識が大きく食い違っていて、その溝は今も埋まっていません。証言を集め、独自に検証しました。

「(Q.避難指示が遅れたという指摘もあるが?)それはないと思います」(愛媛県西予市・管家一夫市長)

18日、このように述べた愛媛県西予市の市長。市内を流れる肱川が氾濫したあの日、何が起きていたのでしょうか。

これは7日午前6時過ぎの映像です。水かさが増していくことがわかります。そして数十分後、この事態を引き起こしたのが、川の上流にある野村ダムの「緊急放流」。想定以上の雨が降ったことから、ダムに入る水量とほぼ同じ量の水を放流することに踏み切ったのです。これに先立って、国側は西予市に対し、「緊急放流」を伝えています。

この時刻をめぐって、両者に食い違いがあるのです。国交省の説明では、伝達時刻は遅くとも午前3時40分。ところが、西予市はこれから50分遅れた午前4時半すぎに伝えられたとしています。西予市が避難を指示したのは、午前5時10分のこと。当日、救助活動に関わった消防団員は・・・。

「西予市でも5名の方が亡くなりまして、もう少し時間があれば、もう一度、見にいく時間は間違いなくあった」(消防団員)

さらに、市から住民への避難指示が適切に伝わっていたのかという疑問も浮上しています。

「寝る時は戸も閉めている。だから(町内)放送自体のアナウンスは全く何言っているのか分からない」(住民)

避難指示から1時間10分後の午前6時20分、緊急放流は始まり、悲劇は起きました。

「消防団の方がしばらくして来られてから(ガレキを)のけたら、もう亡くなっていた状態」(小玉由紀さん)

西予市野村町の小玉由紀さん(59)。近くに住む81歳の母親が濁流に飲み込まれ、亡くなりました。次男の和矢さんも避難指示に疑問を抱いています。

「流入量通りに出す、いつもの何倍出すと、そのまま言ってくれたら体ひとつで避難できていたら、間違いなく祖母も助かったし」(小玉さんの次男・和矢さん)

国は適切な判断だったと強調しています。

「操作規則どおり、通知のとおりやらせていただいて、適切にやらせていただいたと思う」(国交省・四国地方整備局担当者)

国と自治体、そして自治体と住民。認識のズレは埋まるのか、検証作業が始まりました。(7月19日11:36)

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