今週の一筆
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09月29日の放送

北朝鮮問題、外交も大切だが、備えも必要

佐藤正久 外務副大臣

対談を終えて

 今回のゲストは外務副大臣の佐藤正久さん。国会日程にあわせるため、0泊3日でアフリカのアンゴラから帰ってきたばかり。

 「アンゴラは内戦が20年続き、いたるところに地雷があって、その除去支援をやっています。一方、ダイヤモンド・石油といった資源大国でもある。この地域の安定は国際社会の安定でもあり、ひいては日本の安定にも寄与する。実は北朝鮮やキュ−バといった、アメリカとは違う側の国々が支援を続けている。いまだに小規模ですが北朝鮮の軍事顧問団が残っていて教育をしている。そういう意味でもこの国と友好を結ぶのは大切です」

 そういえば河野大臣も中東やアフリカに早速出かけていらっしゃいましたね。「私もレバノンやオマ−ンに行ってきました。日本の石油の8割がこの地域から。しかし、治安が不安定。オマ−ンなんてホルムズ海峡を有している国ですから、日本のタンカ−の生命線を握っています。カタ−ルを巡る騒ぎも起こっていますが、日本が、仲介役ができないか、河野大臣も安定化の道筋が付けられないか、各国と連携して動いています」

 佐藤さんはイラクのサマワで先遣隊長として活躍なさって「ひげの隊長」と呼ばれていましたよね。「向こうと交渉するときにひげがあった方がイメ−ジが良いだろうとはやし始めたのですが、実は帰国後も向こうからいろんな方達が日本にやってこられる。すると『サトウはまだひげがある!イラクのことを忘れない!』と、とても喜んでくれています。笹川堯元衆議院議員に『おまえのひげは国有財産だ!勝手に剃ってはいけない!』と言わてますよ」

 北朝鮮問題は?「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長とアメリカ・トランプ大統領のお互いの口撃・過激な発言がとまりませんよね。北朝鮮はソマリアやリビアの二の舞は踏みたくない。だから、アメリカ本土まで届く核・ミサイルを持つことによって力の均衡をはかろうとしている。しかし、本気でアメリカと一戦を交えようとは思っていない。今回の国連決議に対しても『これまでにない史上最強の対抗措置を慎重に、考慮している』と『慎重に、考慮する』と答えているんですよね。アメリカの方も『外交から軍事まで、すべてのオプションはテ−ブルの上に載せてある』といいつつも、皆、軍人ですから、現実主義者。命の尊さをわかってますから、そう簡単には軍事オプションは使わない。だから、外交が重要なんです」

 圧力か、対話か、という議論もありますね。「対話は6者協議・米朝合意とこれまで2回も裏切られています。対話のための対話は意味がないんです。力の裏付けのない外交は効果がありません」

 でも北朝鮮の挑発は相変わらず止まないが?「今回の経済制裁の効果が出るのは1年か1年半先でしょう。でも今回は『朝鮮半島の非核化が必要だ』ということで、中国・ロシアも加わって、しかも1週間でスピ−ド決議をすることができました」

 中国が安保理決議を履行しはじめたが、ロシアは?「ロシアはいろいろ言ってますが、ロシアは今、ウクライナ問題で西欧から経済制裁を受けていますので、北朝鮮を自分の方に引きつけたい。でも、実は北朝鮮との貿易額は中国が9割、ロシアはたった2%。そう影響があるとは思えません」

 もう北朝鮮を核保有国と認めた方がいい、という意見がオバマ政権時代の閣僚から出ているが?「日本にとって、また韓国にとっては最悪です。すでに、日本や韓国に届くミサイルができているんですから。ただ、アメリカの爆撃機が北朝鮮近辺を飛んでも、北朝鮮は対応できなかった、とアメリカが発表しました。北朝鮮は面目丸つぶれでしたけど、アメリカと北朝鮮の軍事力の格差はかなりのものです」

 日本はどうすればいい?「外交努力は前提ですが、備えをしておくことは必要です。反撃の部分はアメリカにお願いするとしても、撃ち落として守る部分は自衛隊を中心に自分達で守らなければなりません。イ−ジス・アショアは時間がかかりますので、イ−ジス艦を増やすとか、PAC3の能力向上とか、できるところからやって行くことが必要ですね。すでに、Jアラ−トが鳴り、学校閉鎖とか鉄道運休とか国民生活に影響が出ています。真剣に政治も外交も備えをしておかなければ、と思っています」

 佐藤さんは参院議員なので直接には解散・総選挙にはかかわらないのだが、選挙期間中は応援と同時に、北朝鮮対応で東京での日程が多そうだということだ。

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(TBSニュースバード)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:9月29日(金)23:00/9月30日(土)9:30/10月1日(日)0:30