今週の一筆
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11月02日の放送

「想定外」は責任逃れも 大切な人の命を守るのが我々の仕事

小此木八郎 前防災担当大臣・国家公安委員長

対談を終えて

 今回のゲストは、前内閣府防災担当大臣兼国家公安委員長の小此木八郎さん。番組収録予定日の前日に北海道胆振東部地震が起こり、出演が今回に伸びた次第。

 「1年2か月前に大臣に就任したときも九州北部豪雨で、それ以来、台風・火山、大雪、大阪の地震、西日本豪雨、北海道の地震、本当にいろいろありました」

 災害が起こったとき、大臣はどう動く? 「例えば、北海道の地震、朝3時過ぎに発生して、すぐ官邸対策室から連絡があり、官邸に駆けつけました。もうその頃には警察のヘリが飛び立って対策室に状況を入れていますし、官房長官が、記者のほとんどいない会見場でカメラに向かって記者会見していました。一刻も早く地元や家族が地元にいる方に情報を伝えなければいけませんから。一応、被害の大きさで総理が本部長の緊急災害対策本部か、私が本部長の非常災害対策本部を立ち上げる事になっていますが、それはこちらの整理上であって、人の命が関わる話ですから、一丸となってそれぞれの仕事を競争状態でやっています。防災省を作れ、と言う意見もありますが、数年前の副大臣会合でも議論の上、必要ない、という結果が出ていますし、私自身も、実際にこの間、官邸・各省庁、一体となってやってきた、という実感があります」

 一連の災害対応で思ったことは? 「被災地に実際に行って、自分の目で見て、話を聞いて対応する、という心がけでやってきました。どの人も、雨にしても、台風にしても、地震にしても『こんなに強い災害は初めてだ』と言うんです。でも、例えばその2〜3年前、隣の地区では実際に土砂崩れが起こっていたにも関わらず、自分ところは大丈夫だ、と思い込んでいらして、結局は泥を掻き出している。『想定外』と言いますが、逆に言えばそう言っておけば責任を逃れられるかも、というところもありますよね。昨年7月の九州北部大豪雨の時も、その5年前に同じ事が起きて亡くなられた人がいた。で、それを教訓として、若い人たちがお年寄りの住まいを確認して、今度は皆さんを避難させることができた。災害を経験したからこそ、次の災害に対して予防することができたんです。JVOADというNPOがあります。偏りがちなボランテイアの方たちの適切な配置を決めています。国もそれを支援しています。今、防災から『減災』へと言っています。災害を防ぐだけでなく、皆で力を合わせて、災害への備えから復旧・復興も含めて広く災害に対処しよう、という考えです。大切な人の命を守るのが我々の仕事ですから」

 国家公安委員長の仕事についても聞いた。「47都道府県にある警察の仕事を管理・監督しています。私の心に一番残ったのは、刑法犯罪そのものはこの10数年で3分の1以下に減ってはいるものの、中身を見ると、弱い立場の人たちへの犯罪が急増していること。オレオレ詐欺・振り込め詐欺などやDV、性犯罪、お年寄りや子どもたちへの犯罪等々です。これは許せない。5月に新潟で起こった少女の殺害を契機として、この事件に関して、林文部科学大臣・野田総務大臣・松山一億総活躍担当大臣等と直ちに連絡をとりあって、通学路や防犯カメラ、見守りボランテイアなどの実態を収集、関係閣僚会議を開いて、『登下校防犯プラン』をこの6月末には作りまして、それぞれの自治体に通知しました。でも、私たちだけではとてもできないことなので、地方自治体、いや、もっと細かい地域の方々まで、心してやってほしいですね」

 今度は自民党の治安・テロ対策調査会長として、G20、ラグビー・ワールドカップ、そして東京オリンピック・パラリンピック対応でますます忙しくなりそうな小此木さん、リラックスタイムは1時間の半身浴! 今朝も入っていらしたそうだが、ここで読書をなさる由。お気に入りは池波正太郎・東野圭吾等々。「浅田次郎の『沙?樓綺譚』なんておもしろかったなあ!」 だから健康なんですね?「そう、風邪もめったにひかないし。でも女房の管理もあるかな?」ごちそうさま!

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(CS放送「TBS NEWS」)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「TBS NEWS」で放送しています。
再放送:11月2日(金)23:00/11月3日(土)9:30/11月4日(日)0:30