今週の一筆
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03月02日の放送

これからの日本、「少子高齢化」対応と同時に「相対的小国化」対応が必要

越智隆雄 内閣府副大臣

対談を終えて

 今回のゲストは、内閣府副大臣の越智隆雄さん。経済財政政策・金融担当なので、まずはその話題から。アベノミクス、5年も経っているのに成果少ないのでは?

 「いえ、着実に変化してきています。象徴的なのが『雇用』。失業率の低下です。人口減のおかげという人もいますが、生産年齢人口が390万人といわれている中で就業者は185万人増えています。女性の就業率、これも割合が米国を超えました。一時あったM字カーブが今は山型に変わりつつあります。もう1つは景況感。2000年中盤の景気回復の時は、地域毎にプラスだったりマイナスだったりバラバラ。それが今は全ての地域でプラスになっています!」

 財政再建、またプライマリーバランス黒字化延期で難しいのでは? 「元々の計画では2020年に黒字化目標。それが2027年まで延期になったと言われていますが、これは違うんです。削減等の手当を何もしない、という前提でシミュレーションしたら、この数字が出てきたんです。今年の夏までにどうすればこの数字にならないか、歳出削減などいろいろな対応を考えて目標を改めて決めようとしているところです。経済財政諮問会議でも、民間議員から消費税増税後や2020年のオリンピック・パラリンピック後の景気をどうするかという観点で今後の経済政策を考えるべき、という意見が出て、安倍首相が対応を指示しました。財政再建のためには3つしかないんです。●景気を良くして税収を増やす、●税制改正で税収を増やす、●歳出改革をする。どれもやらなくてはなりません」

 「少子高齢化社会」前提で政策を考えねばならないが、越智さんはこれに加えて「相対的小国化」対応をすべき、と言う。「相対的小国化」とは?

 「7〜8年前から気に入って使っているんですが、世界の他の国と比較すると日本はどんどん小さくなってきている。例えば、日本の人口は現在世界人口の2%位。2025年には世界人口が増える中、日本人口は減少して1%に。戦後すぐは3%を占めていたんですよ! これは日本だけではなく先進諸国は皆同じ。経済からみると、『雁行形態論』と言って1つの国でGDPが良くなるとその次の国も続いて良くなり、先行国はさらに良くなる、という考え方もあります。でも私は『双六論』と言っているんですが、上がりの所まで行くとそれ以上は進めない。後続国はGDPが増え、最後は皆同じ状況になる。そこでのシェアは当然小さくなる。日本の1人あたりのGDPのピークは世界の15%くらいだったのが、今では5%! でも小さいから悪い、ということではありません。フランスは食べ物やファッションがあるし、英国、ドイツもその国の存在感があります。小さくても強い国を作るためにマインドセットしなければ。もう1つ、『中規模国家』論も考えました。『大規模国家』は自分の国の言葉を世界で使ってもらえる。『小規模国家』はシンガポールのように自分の国の言葉より外国語を国内で通用させる。日本は『中規模国家』。自国語でやってはいるが、海外では通用しない。でも、グローバルになると『小規模国家』になりかねないわけですから、そこのところもしっかりマインドセットして対応しなければ、と考えています」

 先日、中国に行って、この2年ほどの間に中国は一足飛びに電子国家時代になっているとショックを受けたという。「青空市場に行ったら柱にアリペイ(Alipay)などのQRコードが貼ってあって、そこでスマホで決済してトマトを買ってきましたよ! シェア自転車もスマホ決済ですね。中国では9割がこれを使っています。クレジットカードや現金は使えません。電子国家のエストニアではもっと進んでいて、身分証明書のIDカード1枚で納税・選挙など行政手続きから民間使用まで全部できます。私個人としてはマイナンバーカードをこれに充てられれば、と思ってまして、今後はこれに取り組むつもりです」

 総裁選については? と聞いたら「個人的には、政策を実現するためには継続して前に進める事が必要。習近平国家主席の3選もあり得る中、首脳外交の観点からも考えたいですね!」

 慶応出身で福沢諭吉に心酔しているという越智さん、今週の一筆も諭吉の言葉「一身独立、一国独立」と書いてくださった。

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(TBSニュースバード)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:3月2日(金)23:00/3月3日(土)9:30/3月4日(日)0:30