今週の一筆
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02月16日の放送

若者の投票権を奪うな!

希望の党 小熊慎司 衆議院議員

対談を終えて

 今回のゲストは、希望の党・衆議院議員の小熊慎司さん。予算委で「18歳・19歳の投票率アップを皆が言うが、その前に、制度の不備で投票権さえ奪われている学生たちが多数いることを知ってほしい」と質問をなさったので、まずはその話から。

 「現行は住民届を出さなければ選挙人名簿に載せてもらえないので、その市町村では投票できません。ところが、数年前の『明るい選挙推進協会(明推協)』の調査では、実家から住民票を移してない大学生・大学院生はなんと63.3%もいるんです。この人たちはどこで投票できるのか? 住民票のある地元で投票しようとしても、居住実態がなければ投票できない事になっています。その居住実態はどう調べられているのか? 私の選挙区で調べてみたら、市町村ごとにバラバラ。調査票を出して調べているのですが、会津若松市は人口が多いので、回答がなければ居住実態はある、と認めてここで投票ができる。逆に調査をして返事がなかったらNOという市町村も全国にはあります。この場合は、投票はどこででもできなくなります。調査票を郵送後、電話で確認したり、出かけていって、実態がある、となればOKです。でも無ければダメなので、この場合も学生の投票権はなくなります。一方、全国では全く実態調査をしていない市町村も多数あります。その場合は、住民票のあるところでの投票となります」

 そういうことはどこで判断する? 「総務省に聞いても『それは市町村の判断です』としか返ってきません。憲法にも抵触する大切な国政に関する権利です。それが市町村の判断に委ねられて良いんですか? ちゃんと調査するようにという総務省からの通達に、まじめに答えているところはまじめに調査する。でも人口が多かったり、お金がかかるからと小さな所ではできない場合もあるでしょう。そんな理由で国の代表を選ぶ権利が左右されていいんでしょうか。そんな思いから質問したんですよ」

 面倒だからという人もいるでしょうが、理由のある人もいる? 「例えば成人式は地元で出たい、と。今は中学校などは個人情報保護法で卒業名簿を出さないから、結局、住民票をもとに案内を出す。すると、地元の案内は下宿先には来ない。だから残しておく、という人もいます。一生に一度のことですから友人と行きたい、と」
 
 居住実態が「有・無」で判断といっても、単身赴任者なんて家族のいるところに住民票があるのが普通。月に1〜2回帰れば良いんですか?盆暮れだけ? 学生なんて長い夏休みに地元に帰りますよね。これとの整合性は? 「そうなんですよ。そう考えると居住実態って一体何だ! という話になりますよね。元々は二重投票を防ぐために住民票を異動しなければならない、という理由なんです。福島県は被災後まもなく7年になりますが、避難区域の双葉郡の皆さん、自主避難されている皆さん、どうすればいいんですか。数年前に在外投票が認められましたけど、これなんか居住実態なんて全く要件になっていない。不在者投票をしやすくなる方法を考える前に、この投票権を奪われている現実を皆さんにも知ってもらわなくては。総務省もやっとこの件に関して実態調査を始めましたけど、今後も国会でどんどん質問をします!」

 もう1つ、政府の明治150年記念事業について。会津出身の小熊さんにとっては、いやあれは戊辰150年だ、と言う。「玉木代表(希望の党)も本会議質問で言いましたが、今の内閣府の関連事業をみていると都合の良いところをつまみ食いして勝ち組の論理で組み立てられたもの。まさに安倍政権の象徴! 歴史認識は光と影も含めなければ。100年の時には安倍さんと同じ長州の佐藤栄作内閣だったが、復古主義との批判もあって、佐藤さんは式典の中で『負の遺産もしっかり検証していかなければならない』と言った。明治政府の功績として●和魂洋才●チャレンジ精神をあげたのはいいけど、●機会均等は事実と違う。西軍が出世、東軍の人材採用にはキャップをはめられたり、野田総務大臣も『女性を活躍させた、というが不平等とか虐げられた歴史がある』とおっしゃった。いろいろな行事が予定されているが、沖縄はただ1件。それもジョン万次郎が立ち寄ったというもの。沖縄は明治政府に差別され、方言も抑制された。こういう負の遺産もきちんと検証しなければ。勝ち組だけの論理ではダメ!」

 今年は野党再編、そして念願の脱原発をやりとげたいという小熊さんに、時間があったら何をやりたいか聞いたら、「世界中を放浪したい。車でアラスカ以外のアメリカ中をまわった時は最高! 映画は大好きだけど、実際にその肌触り、温度を感じたい!!」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(TBSニュースバード)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:2月16日(金)23:00/2月17日(土)9:30/2月18日(日)0:30