今週の一筆
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10月27日の放送

憲法改正へ大きく政治を変えた選挙

法政大学大学院 白鳥浩 教授

対談を終えて

 総選挙期間中は休止だった「国会ト−ク・フロントライン」、再開第1回は、法政大学大学院教授の白鳥浩先生に総選挙の分析をしていただいた。

 まずは、各政党の獲得議席について。
 「今回の総選挙は0増10減と定数が減ったにもかかわらず、自民は284議席と公示前と変わらぬ圧勝。公明と併せて与党で3分の2をまたも超えた。これはひとえに野党分裂のおかげ。決して自民党が強いわけではない。野党一本化ができていたら、63議席がひっくり返るという試算もある。比例の得票率をみても自民はわずか33%ちょっとしかないのに、議席は75%を占めた。小選挙区制度のせいとはいえ、我々の民意と選挙結果はずれていると言わざるをえない」

 投票率も上がらなかった。「そう、前回より多少上回ったとはいえ53.68%で戦後2番目の低さ。それにもまして18歳・19歳の投票率が41.51%とさらに低いのが気がかり。有権者の半分にしか代表されない国会議員、というのはいかがなものか」

 他党については? 「希望の党は政権交代を目指したものの50議席に終わった。『排除』という言葉一つでガラッと風向きが変わってしまった。立憲民主は民進党のリベラルが独立して、『保守』と社民・共産の『革新』とのちょうど間にうまくはまって、15人から55人まで議席をのばし、野党第1党に。ぶれないという評価や、「判官びいき」もあっただろう。維新は希望との間で大阪と東京に住み分けたが、これはマイナスに。共産は立民と選挙協力したが少なからず党員票が立民へ流れてしまったし、一本化を目指してかなりの数を小選挙区でたてるのをやめたため比例票も減ってしまい、結局は21議席から12議席へと半減。公明は固いと言われながら、34から29に減った。比例の定数減が大きく影響したと思う。一時、自公で300議席などと言われ、緩んだのかもしれない」

 今回の選挙で憲法と消費税に対する各党の考え方の違いがはっきりした、と白鳥さん。
 「消費税で分ければ、自公が増税、野党は凍結、ときれいに分かれる。しかし、これに憲法を重ねると、違ってくる。自公と維新・希望が改憲、立憲・社民・共産が護憲、となる。しかも、私の考えでは、各政党の立ち位置はイデオロギ−で4つに分けられる。維新・希望は自民より右の『新保守』。自民は、安倍さんは別にして河野洋平氏や宏池会といったリベラル勢力も多く、自分は護憲だ、という人もいるので『保守』。そして今回できた立憲民主党のような『リベラル』。さらに旧来の社民・共産の『革新』。前原さんは様々な評価はあるが、少なくともいつも両論併記しかいえなかった民進党を壊し、立ち位置のはっきりした政党を新たに作ったとも言えるのでは」

 維新+希望+与党が改憲とすると憲法改正できる? 「立民・社民・共産、あわせても70議席そこそこ。どういう項目かは別として、憲法改正ができる可能性がでてきたという意味で、今回の選挙は日本の政治を大きく変えるものといえるのではないだろうか」

 野党一本化はできるだろうか? 「再来年の参院選挙をどう戦うかがまず問題。支持母体の連合も無所属も含めて支持が3つに分かれてしまった。これから働き改革など自分たちに関わる大切な政策審議が始まるときに、どの政党と組んだら影響力が発揮できるのか、これもからむ。地方組織も強化し、どうやったら自民党を倒せるか、目の前を考えるのではなく、もう少し長期的戦略を立てることが必要だと思っている」

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(TBSニュースバード)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:10月27日(金)23:00/10月28日(土)9:30/10月29日(日)0:30