今週の一筆
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01月20日の放送

とにもかくにもトランプ大統領が中心!

ジャーナリスト・嶌信彦 氏
与良正男 毎日新聞専門編集委員

対談を終えて

 恒例の「今年の政治・経済を占う」今回もジャーナリストの嶌信彦さん、そして毎日新聞・与良正男専門編集委員に大いに語ってもらった。

 まずは就任以前から為替・株価・企業への圧力・外交と、様々なところに影響を与えているトランプ氏の話から。二人ともツイッターという百数十文字での発信に危惧を感じるという。

 嶌さん「片言隻句で政治が語れるのか。ものの考え方とか大局観が全く見えてこない」。与良さん「postーtruth(ポスト・トゥルース)という言葉が流行っているが『嘘か本当か、事実か事実でないか』より、感性を優先して『自分と同じ意見か、聞いて気持ちが良いか』で受け手は判断する世界。白か黒か、敵か味方と言う考え方。この間の記者会見でみられたように、世界一の権力者が批判や反論を許さない、というのは非常に問題だと思う。政治は本来いろんな人の意見を束ねて何とか調整していくもの。それが民主主義だと思うけど!」

 経済問題への影響も多いのでは? 与良さん「自由経済をうたっている国なのに、企業が次々と軍門にくだっている。日本やトヨタも名指し」。嶌さん「貿易赤字を目の敵にしているから、かつての経済摩擦や個別企業への要求が強くなるのでは?ダボス会議で中国の習近平主席が『自由貿易は中国がリードする!』と。いったいどうなっているんだ、と思う」。与良さん「政治をマーケットだけで判断。何か『正義』というものが必要では、とさえ思う。それから一番心配なのは為替。アベノミクスは円安が前提だから、トランプ大統領がドル安の方がいい、と考え始めたら、アベノミクスは崩壊する」

 日米関係は? 与良さん「対米追従でやっていればいい、とはいかなくなる。安全保障の観点から見れば、米中の関係がどうなるかだ。安倍外交は中国から日本をいかに守るか、と言う視点でしか動いていない」。嶌さん「昨年12月の米中間のやりとりを全部見直したが、本当にけんか寸前! トランプ氏は『一つの中国でなくとも』と言ってしまったが、歴代大統領は誰も言っていない。台湾周辺を中国の航空母艦が一周したり、中台の危機が起こる可能性も」

 与良さん「一方、中国ウオッチャーの中には、まだ抑制的な対応を中国ではしている、という人もいる。人権問題に敏感なオバマさんより、トランプさんの方が外交でも経済でもディールがしやすい、と習近平主席はみている、と。また頭越しで米中接近となることもあり得る」

 ヨーロッパは? 「英のEU離脱、ドイツの連邦議会の選挙はあるし、移民・難民問題はますます大きくなるだろう」。嶌さん「対ロシアがヨーロッパとトランプは全く違う。そのヨーロッパとどうつきあうか、日本は問われている。もう一つは韓国。東南アジア・中国・韓国の間をどう取り持つかが日本の役目だと思うが、それができていない。今回安倍首相が回ったベトナムやフィリピンだって、中国とアメリカとのバランスに腐心、したたかな外交をやっている」

 日本は安定した国と言われるが? 嶌さん「いや、かつてのエネルギーを食いつぶしている国では? それをいったん否定して新しい国作りをしようというエネルギーがもう無くなっている」。与良さん「人口減少、少子高齢社会、都会の中での介護難民、自立できないお年寄りの増加。目先の株価対策だけでなく、安定していると言われる今のうちに、こういった問題を解決しておかないとどうしようもなくなっている」

 最後に「今週の一言」をお二人に御願いしたら、「今年は中小企業を対象に第2の創業を考える時期だ」と言う嶌さんは「王道」、そして、「都議選の結果は間違いなく国政に影響を与える!」と言う与良さんは「民主政治の再構築」と書いてくださった。

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川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(TBSニュースバード)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:1月20日(金)23:00/1月21日(土)9:30/1月22日(日)0:30