今週の一筆
【画像】
【画像】

02月17日の放送

TPPは凍結しているだけ さらなる農業競争力強化を!

齋藤健 農林水産副大臣

対談を終えて

 今回のゲストは農水副大臣の齋藤健さん。終わったばかりの日米首脳会談について、まず伺った。

 「同じ事を言っても信頼関係がないと、心に響かないんですよね。だから、会談は上手くいったんじゃないか、と思いますよ。それから安保と経済と関連させずに済んだ。これは大きいと思います」

 ただ、トランプ大統領は就任直後に公約通りTPP離脱の大統領令に署名。日本にとってはマイナスでは? 「もちろんそうですけれど、でも私は、TPPは2つの理由でまだ可能性があると思っているんです。1つはTPPそのものはまだ消えていない。日本はすでに国会承認しています。米も政府は『当面離脱』と言ってますが、気が変わって議会に出して、承認されれば成立するわけです。TPPそのものは無くなっているわけではありません。凍結かな? もう1つは、トランプさんは2か国で、と言ってますが、米がTPP11か国と個別に交渉するのは時間的にも労力も膨大! 『それを本当におやりになるんですか?』と日本が粘り強く交渉することに意味があると思います。安倍首相もその意義はきちんと理解なさってやっていらっしゃると思います」

 でも、米の畜産業界などは、早く2国間交渉をやれと言ってますね。「すでに日豪間は経済連携協定を結んでいるので、それに基づいて豪から入ってくる牛肉は、米から入ってくる牛肉よりも、関税が、冷凍もので11%、冷蔵もので8%もの差ができていて、今、豪州牛が伸びてきています。米の牛肉の主要輸出先は日本ですから、それは苦しいでしょう。どうなるのか我々も注視しています。2国間の交渉になったら大変ですから」

 今月10日に2016年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)が発表され、4年連続の伸びを示した。「日本全体の製造業なども含めた輸出は円高のせいもありますが、減っているんです。その中での伸び、わずか0.7%とはいえプラスというのは意義があります。何とか2019年には1兆円という目標を達成したいと思います。アベノミクス3本の矢・成長戦略の重要な柱ですから。国別ではアジアが4分の3を占めています。だからこそ、この地域が中心のTPPが大切だったわけです。戦略的に我々は、TPP、中国・インドを含んだRCEP、それに対EUのFTAの3つを推進することによって、全世界的に自由貿易圏を広げようとしてきたんです。米も日本のやり方は理解している、とのことですから、もっともっと推進します」「もっと品目を増やすべき?それは今後もっとマ−ケテイングをしていかなければなりませんね。それと同時に、今、和食の海外普及をやっている。この2年間で5万ちょっとから9万近く、1.6倍に和食レストランが増えました。そこで新たな食材を提供していく、という試みもやっています。もちろん、そのためのインフラ整備用の予算措置も始めています」

 でも輸出促進のためには農家自身の意識改革が大切?「もちろんです。人口減の世の中、食べる人が減るわけですから『今までと同じ事をやり続ける』というのが一番のリスクだ、と私はいつも言っています。ここ3〜4年、農業競争力強化のプランをいくつか出してきました。農地を意欲ある農業者へ貸す仕組みや、不安定な農業収入をサポ−トする。生産者から消費者への直接販売など流通・加工の構造を改革する。等々です。先日、小泉農林部会長達が出した農協改革(肥料・飼料・農薬・機械などの価格引き下げ)、もそうですね。時間がかかるものもありますが、着実に効果がでています。でも今、農家に一番欠けているのは経営感覚!農業を続けながら学べる、経営力を付けるための塾や教育機関を作っています」

 今年は世界中の人に日本の農産物を食べてもらい「美味しいな!」といってもらえるよう頑張る、という齋藤さん、トランプ大統領と誕生日が同じだとのこと。「いい人、かもしれませんよ!」とニヤッ!

【画像】

川戸 惠子 (かわど けいこ)

兵庫県姫路市生まれ。
東京都立日比谷高校卒業、お茶の水女子大学国語国文科卒業。


 アナウンサーとして東京放送(TBS)入社「お昼のニュース・スタジオ」(ラジオ)「ニュース・デスク」(テレビ)のニュースキャスター等を 務める。
 報道局政経部記者に異動後、自治・建設・国土・郵政省等を担当するかたわら、選挙本部で選挙番組を担当。
 その後、報道局政治部部長や解説委員等を経て、現在はTBSテレビ・シニアコメンテーターとして「国会トーク・フロントライン」(TBSニュースバード)のプロデューサー兼司会、選挙番組を担当。

この番組はCS放送「NEWS BIRD」で放送しています。
再放送:2月17日(金)23:00/2月18日(土)9:30/2月19日(日)0:30