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京アニ犠牲者、残る25人の名前 実名か匿名か

 35人が亡くなった「京都アニメーション」の放火殺人事件からもうすぐ1か月となりますが、25人の犠牲者の名前が今も公表されていません。警察としては異例の対応で、被害者支援に関わる専門家からも様々な意見が出ています。

 放火殺人として平成以降最悪となる、35人が死亡した今回の事件。名前の公表をめぐる警察の異例の対応も、議論を呼んでいます。

 警察は通常、身元が特定された時点で亡くなった人の名前を明らかにします。しかし、今回は、事件発生のおよそ2週間後に、10人のみを公表。残る25人の名前は今も公表されていません。

 「名前が報道されると『こういう方たちが生きていて亡くなったのか』と」(献花に訪れた人)

 「ご遺族の方の気持ちが大事なので、そっとしておくというか」(献花に訪れた人)

 京都府警は、「遺族への配慮」を理由にあげ、「了承が得られた10人を公表した」と説明しています。京都アニメーション側が警察などに対し、実名を控えるよう文書で要望していたことも背景にあるとみられています。

 被害者支援に携わる専門家からも様々な意見が出ています。長年、様々な遺族の心のケアにあたり、京都府警で被害者支援の講師を務めた経験もある龍谷大学の黒川雅代子教授。黒川教授は、長期的には名前を公表できるほうが遺族にとっても望ましいと話します。

 「実名が公表されない形でいくと、人数だけが残ってしまう。亡くなった人にはそれぞれの人生があって、それぞれの思いがあって、例えばとても有名な方もいらっしゃったかもしれないけど、まだ無名で、仕事し始めたばっかりとか、そういう人であったとしても、その人その人には、とても大事な人生があったので、それが公表されなければ、数字だけで残ってしまう」(龍谷大学短期大学部 黒川雅代子教授)

 その一方で、今回の警察の姿勢については・・・

 「家族の思いを丁寧に関わりながら公表されたということでいくと、評価できるものではないか」(龍谷大学短期大学部 黒川雅代子教授)

 京都アニメーション側は「実名報道を永久に控えてとお願いしているのではない」とも説明しています。京都府警も今後、残る25人の名前の公表時期を探っていく方針ですが、名前の公表が遅れることが被害者や遺族に対する支援の遅れにつながることを危惧する声もあります。

 「(発生からすぐに)支援体制がとれるかとれないかで、その後のストレス障害が天と地くらい違ってきちゃう。初期の段階の支援が全くできていない」(常磐大学 諸沢英道元学長)

 被害者学が専門で、去年解散した「全国犯罪被害者の会」の顧問も務めた諸沢英道常盤大学元学長。諸沢元学長は支援にあたる自治体やほかの関係機関にも、速やかに被害者や遺族の情報が伝わることが重要だと話します。

 「被害者情報を警察が全部掌握していて、記者会見などでマスコミに出すかどうかとか、いろんなことについて警察はある種オールマイティーになっている」(常磐大学 諸沢英道元学長)

 亡くなった津田幸恵さんの父・伸一さんは、名前を公表されたくない人の気持ちは分からなくはないとしたうえで、実名での取材に応じた理由をこう話しています。

 「安否を気遣ってくれる人がいるかもしれないし、早くやきもきする気持ちよりも、はっきりした方がええやろうなと」(亡くなった幸恵さんの父・津田伸一さん)

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更新日時:8月19日 13時02分

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