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日系企業にちらつく“生産移管” 激化する米中対立のあおりで・・・

 アメリカが中国の通信機器大手を狙い撃ちにした圧力の強化に踏み切りました。歯止めがかからない米中の経済的な対立に、中国に工場を置く日系企業も悲鳴です。

 「天津で開かれている最先端技術の展示会場です。ファーウェイ社の5Gに関する展示が注目を集めています」(記者)

 16日に開幕した「世界人工知能大会」。中国を代表する大手、ファーウェイの次世代通信技術「5G」を使った展示には多くの見学客が集まりましたが・・・

 「ファーウェイに制裁しても技術の発展は止められません」(見学客)

 強い反発の根源は、この人。トランプ大統領は15日、アメリカ企業が安全保障上の脅威となる通信機器やサービスを使用することを禁じる大統領令に署名。名指しはしなかったものの、アメリカが中国当局と深い関係があるとみるファーウェイやZTEを狙い撃ちにしたものです。さらに商務省も、アメリカ企業が政府の許可なくファーウェイに電子部品などを販売することを禁止すると発表。

 とどまるところを知らない米中の対立のあおりは日本企業にも・・・。中国・江蘇省にある日本の手袋メーカー、スワニーの工場。35年間にわたり、スキーやスノーボード用の革製の手袋を作ってきました。

 「年間50万双(組)作っています。アメリカ向けは全体の3分の1ぐらい」(中国スワニー有限公司 総経理)

 「手袋の革が柔らかく暖かい」とアメリカでも好評だといいますが・・・

 「こちらの倉庫には、アメリカに輸出されるはずだった手袋が保管されています。段ボール箱には『MADE IN CHINA TO USA』と書かれています」(記者)

 実は、10日にアメリカが中国からの輸入品への関税を25%引き上げた対象に革の手袋も含まれたため、苦渋の決断でアメリカへの輸出を一時停止したのです。さらに、貿易交渉が長期化すれば・・・

 「本当にここで作れなければ、東南アジアのスワニーで作ってもらいます。カンボジア・ベトナムにも自社工場を持っていますから」(中国スワニー有限公司 総経理)

 実はすでに中国からの生産移管を決めた企業も出てきました。事務機器大手のリコーは、中国とタイで分担していたアメリカ向け「複合機」の生産をタイに集約させると発表。経済団体のトップも「貿易戦争が長引く覚悟が必要だ」とする認識を示しています。

 「決定的に中国では作れないという状況に追い込まれているんだと思います」(ニッセイ基礎研究所 チーフエコノミスト 矢嶋康次氏)

 長らく中国での生産に取り組んできた日本企業の大きな転換期なのでしょうか。

 「新しいところで、いろんな問題があることを分かりながら(生産移管を)決断していくという意味では、企業を取り巻く環境がここ数か月で激変した」(ニッセイ基礎研究所 チーフエコノミスト 矢嶋康次氏)

 先行きの見えない米中対立にどう対応していくのか・・・。日本企業に厳しい判断が迫られています。

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更新日時:5月22日 20時02分

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