歴史的会談から一日、北朝鮮は絶賛・トランプ氏には批判

 米朝首脳会談から一夜明けて、北朝鮮国営メディアは、その成果を強調しました。トランプ大統領から事実上の体制保証に加え、米韓合同軍事演習の中止という発言まで引き出した金正恩(キム・ジョンウン)党委員長ですが、トランプ氏は批判にさらされています。

 歴史的な米朝首脳会談から一夜が明け、平壌(ピョンヤン)の駅では会談を報じる新聞に市民が見入っていました。

 「(トランプ氏は)どんな顔なの?これ?これ?」(平壌市民)

 北朝鮮の国営メディアは会談について報道。

 「最も敵対的であった朝米両国間の関係を、時代が発展していくニーズに合わせて、画期的に転換させていくうえで、重大な意義を持つ大きな出来事となる」(朝鮮中央テレビ)

 成果を強調しました。

 一方のトランプ大統領も、帰国の機上から、ツイッターで・・・

 「金委員長ありがとう!きのうの会談は歴史的なものだった!」(トランプ大統領のツイッター)

 世界中の目が注がれた12日の首脳会談。共同宣言では、「金正恩党委員長は朝鮮半島の完全な非核化に断固として取り組むと約束する」とある一方、北朝鮮の非核化に向けた具体的な道筋は示されませんでした。にもかかわらず、「トランプ大統領が、北朝鮮の安全を確約する」と盛り込まれたのです。

 それでも、トランプ大統領はご満悦に見えました。

 「彼は才能ある人物だ」(トランプ大統領)

 しかし、会見では、最初の質問から・・・

 「家族を殺し人民を飢えさせアメリカ人大学生の北朝鮮での死にも責任があるはずの金正恩氏に対し、なぜやすやすと『とても才能がある』などと言えるのですか?」(記者)

 記者は、金正恩政権が、兄の金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害やおじの張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛正などを行ってきた抑圧的な政権だとして、トランプ氏を問い詰めたのです。

 「彼は才能があるよ。26歳で政権を託されて、しっかりやるなんて、なかなかできない」(トランプ大統領)

 こうかわしたトランプ氏ですが、記者たちの追及は続きます。

Q.共同声明にCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)は入ってませんね?

 「そうだね」(トランプ大統領)

Q.これはアメリカの譲歩じゃないんですか?

 たまらずトランプ氏は・・・

 「お行儀よく敬意を持って質問して」(トランプ大統領)

 そして内外に波紋を広げたのがこの発言。

 「米韓合同軍事演習を中止する。多額の費用を節約できる」(トランプ大統領)

 「交渉が進んでいる間は適切ではない」として、北朝鮮側が要請してきた米韓合同軍事演習の中止について言及したのです。

 13日朝、韓国メディアは。

 「非核化の具体的な進展がない状態で、北朝鮮が要求していた訓練の中止という補償だけを与えた」(朝鮮日報)

 「(中止は)完全に金正恩にやられましたね」(ソウル市民)

 「(非核化への)プレッシャーをかけていると思いました」(ソウル市民)

 韓国国防省は、「トランプ大統領の発言の正確な意味や意図を把握することが必要だ」とコメントしています。アメリカ側では、マティス国防長官は「驚くものではない」として、大統領から事前に相談があったと強調していますが、在韓米軍の関係者は「中止の公式的な指示はまだ来ていない」と話し、内部に波紋が広がっていることを明かしました。

 北朝鮮国営メディアは、金党委員長の提案にトランプ氏が応じたと高らかに報じています。

 「アメリカの大統領はこれに理解を示し、朝米間に善意の対話が行われる間、北朝鮮側が挑発とみなす米韓合同軍事演習を中止し」(朝鮮中央テレビ)

 さらに、非核化については「段階的、同時行動の原則を遵守するのが重要であるとの認識を共にした」として、“段階的に非核化を進め、その段階ごとに見返りを得る”という従来の主張をトランプ氏が受け入れたと主張していますが、これは12日のトランプ氏の説明にはありませんでした。

 第1ラウンドでは北朝鮮のほうが上手だったのか。トランプ氏は、直後のインタビューで予防線を張りました。

 「金正恩党委員長のことは信用している。でも1年後に“間違いだった”と言うかもしれない」(トランプ大統領)

 では、日本は。安倍総理は12日、トランプ大統領から会談内容の説明を受けました。

 安倍総理と会談した萩生田幹事長代行は・・・

 「金正恩党委員長は今まで『この問題は解決済みだ』と公の席で言ってきたが、そういう反応がなかったということは、大きな前進だと思います」(自民党 萩生田光一幹事長代行)

 前向きに捉える日本政府。12日、トランプ氏がこんな発言をしていたことについては。

 「(Q.非核化の費用についても話した?)韓国と日本が支援するだろう」(トランプ大統領)

 「我が国としては、北朝鮮の非核化が進んで、IAEAが北朝鮮の検証活動を再開する際、初期コストを支援する用意はあります」(菅義偉官房長官)

 菅官房長官は、費用負担について踏み込みました。

 一方、政府関係者はこうも述べています。

 「北朝鮮が求める経済援助は拉致問題が解決しないかぎりありえない。トランプ大統領が北朝鮮にきちんと伝えてくれていれば良いのだが」(政府関係者)

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更新日時:6月18日 11時02分

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