掘ってわいた「チバニアン」は、地元・千葉県の“宝の山”になるか?

●早くも始まった「チバニアン」フィーバーの現場を訪ねた!
●日本の地名が初めて地質時代の国際名称に使われるか?

■約77万年前に御嶽山噴火でできた火山灰の堆積層

 千葉県市原市田淵の養老川沿いにある「千葉セクション」と呼ばれる地層に一部、白い線にも見える一本の筋が確認できる。これは約77万年前に御嶽山の噴火によって降り積もった火山灰が滞積してできたものだ。

 この筋の上側と下側では地球の磁気のN極とS極の向きが逆転していることが研究チームの調査で分かった。地質時代を区分する重要な発見で、茨城大学の岡田誠教授を中心とする研究チームは、地球の歴史の中の約77万年前から12万年余り前を「チバニアン(千葉時代)」と名付けるよう国際学会に申請した。もし、実現すれば日本の地名が初めて地質時代を表す国際的な名称として使われることになる。

■地元では「チバニアン」で町おこしの動きが活発化

 地層のある市原市田淵の地元では「チバニアンの里」というのぼりが多く立てられ、早くも町おこしの動きが活発化している。養老川の清流は鮎が捕れることもあり、「鮎の塩焼き」を売る店も出現、自販機も多く設置されている。

 国際学会に「チバニアン」命名を申請し、一次審査が通った去年11月から今年4月までに、この地を訪れた人は、市原市によれば、3万人を超える勢いだという。私が取材した日も、多くの団体客が市原市職員の案内で地層の見学に来ていた。

■国際学会認定のためには天然記念物の指定が必要条件

 「千葉セクション」があるところは私有地だが、現在は開放されていて誰でも立ち入ることができる。このため、心ない人によって地層が傷つけられる心配も持たれている。

 国際学会に認定されるには安全対策が万全であることが求められる。そこで市原市では、一帯の地層が文化庁から地質鉱物の天然記念物に指定されることを目指している。そうなれば文化財保護法が適用され、ある程度の安全対策を講じることが可能になるという。文化庁を外局として持つ文部科学省も市原市に職員を派遣し、「チバニアン」が国際学会で認定されるように後押している。

 天然記念物に指定するかどうかの審査は通常、6月に行われている。これまで断層などが指定された例はあるが、地層が指定された例はあまりないものの、「チバニアン」が近く、天然記念物に指定される可能性は高い。

■「チバニアン」は地元を活性化する“宝の山”になるか?

 国際学会での地質時代の申請をめぐって日本と競合しているのがイタリアだ。イタリア南部とともに、房総半島は観測と分析ができる海底堆積層が多く存在する。富津市周辺では実に1000万年前の地層を見ることもできるという。中でも、千葉県市原市の田淵周辺の地層は堆積する独土が速く、詳細な観察と分析に適していることが今回の研究結果につながった。「チバニアン」は地元にとって“宝の山”になるのか?最初の一歩は文化庁から天然記念物に指定されるかどうかにかかっている。(01日16:30)

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更新日時:8月15日 15時02分

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