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“強制不妊手術”医師が告白「まずいことに手を貸した・・・」

 国による“命の選別”はなぜ繰り返されたのでしょうか。1948年から96年まで半世紀近く施行された「旧優生保護法」。知的障害などがある人に対し、医師が必要と判断すれば、本人の同意なく不妊手術を行うことが認められていました。

 この法の下、強制的に不妊手術を受けさせられた人の数は全国で1万6000人を超えるとされていて、その被害者3人が17日、国に賠償を求め一斉提訴します。手術に関わった医師が当時の状況を証言しました。

 「まずいことに手を貸したと。当然ですけどね」

 そう語るのは、精神科医の岡田靖雄さん(87)。岡田さんは1960年代前半、東京都立松沢病院に勤務していたとき、知的障害のある女性患者の強制不妊手術に関わりました。

 「医局の黒板に半年に1回、優生手術の対象になる人を書き出してくださいと。僕の場合、女性病棟の患者さん、その人の名前を書き出して。(不妊)手術をした時に僕が助手をした。生活能力がない人が子どもを作ることはとんでもないと。子どもを作らせないようにすることが、その人たちのためになると。それが福祉だと思ったわけでしょ」(強制不妊手術に関わった 岡田靖雄医師)

 「当たり前のように行われていた」と話す岡田さん。優生保護法の下、国も当時、不妊手術を積極的に奨励していました。かつて厚生省が都道府県に対し送った文書には・・・

 「ご努力により相当程度、成績を向上せしめ得られるものと存ずる次第」

 国を挙げて行われていた「命の選別」。岡田さんは、手術に関わった後、優生保護法の問題を指摘しましたが、当時、問題視する医師はほとんどいなかったと言います。

 「どうしてみんなもう少し考えようとしなかったんでしょうね」(強制不妊手術に関わった 岡田靖雄医師)

 今年、当事者の提訴をきっかけに、謝罪と補償に向けた議論が始まりました。岡田さんは、胎児の先天性異常などがわかる新型の出生前診断や、遺伝子検査の技術が進んだ今こそ、優生保護法についてしっかり検証すべきと指摘します。

 「これから出生前診断とか、どんどん増えていくんでしょうけど、そういうものを考えるためにも、昔の事情をちゃんと調べる必要がある。補償法を作れば済むとなりかねないが、それだけで済ませたら同じことが、似たことが繰り返される可能性は十分あると思う」(強制不妊手術に関わった 岡田靖雄医師)

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更新日時:5月22日 22時02分

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