米大統領「南北対話中は軍事行動しない」 米朝対話の実現は?

 南北閣僚級会談を受け、アメリカのトランプ大統領は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と電話会談し、「南北の対話中は、いかなる軍事行動もしない」と明言しました。一方で、北朝鮮の核・ミサイル開発については「最大限の圧力」をかけ続ける意向を表明しました。

 9日に行われた南北閣僚級会談を受け、日本時間の10日夜、アメリカのトランプ大統領と韓国の文在寅大統領が電話で会談しました。

 「先ほど、文大統領と話しました。文大統領は、最初の南北会談が大変うまくいったとの感触を得ている」(アメリカ トランプ大統領)

 電話会談で笑顔を見せる文大統領。30分の会談で何が語られたのでしょうか。

 韓国大統領府によりますと、文大統領は、南北会談の成果をトランプ大統領に伝え、両者は、これが、「朝鮮半島の非核化をめぐる米朝対話につながる可能性がある」との認識で一致しました。そこで、トランプ氏が口にしたのは・・・

 「南北の対話中はいかなる軍事行動もしない」(アメリカ トランプ大統領)

 韓国と北朝鮮の対話が進んでいる間は、軍事的な行動をしないと、断言したのです。さらに、「適切な時期と状況で、北朝鮮が望めば、対話の窓は開かれている」とまで述べました。これまでの強硬姿勢を、一変させたような発言です。

 「今後数週間、または数か月どうなるのか見てみよう」(アメリカ トランプ大統領)

 その後の会見でもトランプ大統領は「戦闘行為が近く起こるのか?」との質問に、じょう舌な口調でこう語りました。

 「そんなことはないでしょう。『力の平和』が訪れると考えていますから。確かに北朝鮮との問題はありますが、良い(南北の)対話が行われていますし」(アメリカ トランプ大統領)

 一方で、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、引き続き最大限の圧力をかけていく方針を、両首脳が確認したとしています。

 北朝鮮、韓国、アメリカの間で、大きく動き始めた朝鮮半島情勢。こうした中、日本政府は、従来の方針に変わりはないという考えを強調しています。

 「日米・日米韓の対応策について、何ら変更はないと申し上げておきます」(菅義偉 官房長官)

 菅官房長官は11日午後の会見でこう述べた上で、北朝鮮に対して「圧力を最大限に高めていくということについては、日米・日米韓、緊密に連携している」と語りました。

 平昌(ピョンチャン)オリンピック参加を決めた北朝鮮。代表団は、500人規模になるとみられています。一方のアメリカ側は、ペンス副大統領を派遣することを決めました。焦点となるのは北朝鮮側の顔ぶれです。トランプ政権「ナンバー2」派遣を受け、北朝鮮側が金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の側近・崔竜海(チェ・リョンヘ)氏や妹の金与正(キム・ヨジョン)氏を派遣するならば、米朝の対話がなんらかの形で実現する可能性もあります。そうなれば、緊迫する米朝関係を打開する舞台としても平昌オリンピックが注目されることになるのです。

 さらに、北朝鮮の参加によって、新たな課題も生まれています。2000年のシドニーオリンピックでは、南北の選手団180人が「朝鮮半島が描かれた旗」とともに入場。割れんばかりの拍手が送られました。その後の国際大会での共同入場は、李明博(イ・ミョンバク)政権に入って南北関係が悪化し行われず、もし、平昌で実現すれば11年ぶり。平和オリンピックをアピールする絶好の機会となります。

 また、選手団のユニフォームの問題も持ち上がっています。すでに韓国選手団は、国旗の色をあしらったユニフォームを完成させています。裏地に韓国国歌の歌詞も印刷されているこのデザインに、北朝鮮側が難色を示す可能性があり、開幕を目前にしてデザインのやり直しを迫られるかもしれないのです。

 IOC(国際オリンピック委員会)は、今月20日に北朝鮮選手の参加人数や参加形式などについて協議するため、会談を開くと発表しました。会談には、韓国と北朝鮮のオリンピック関係者も参加し、国旗の扱いやユニフォームなどについても話し合われるということです。

 開催まで1か月に迫った平昌オリンピックは、緊迫する米朝関係も進展させるきっかけとなるのでしょうか。

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更新日時:1月18日 13時2分

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