日馬富士が同郷力士に暴行、警察が被害届を受理

 相撲界でまた暴行問題です。横綱・日馬富士が同じモンゴル出身の後輩力士をビール瓶で殴り、頭の骨を折るなどのけがをさせていたことが明らかになりました。被害者側の貴乃花親方は警察に被害届を出し、受理されていて、今後、刑事事件に発展する可能性もあります。

 朝稽古を終えカメラの前に現れた日馬富士(33)。

Q.ビール瓶で殴ったというのは本当?

 「・・・」(横綱・日馬富士)

 記者の質問に答えることなく、伏し目がちに歩を進める。その後、立ち止まった日馬富士は、小さな声で、謝罪の言葉を口にしました。

 「貴ノ岩のけがについて、貴乃花親方や貴乃花部屋の後援会関係者の皆さま、相撲協会、うちの部屋の親方に大変迷惑をかけたことを深くおわび申し上げます」(横綱・日馬富士)

 角界でまたも暴行問題が発覚しました。相撲関係者の話によりますと、横綱・日馬富士は、先月26日、巡業先の鳥取で、東前頭8枚目で同じモンゴル出身の力士・貴ノ岩に対し、ビール瓶で頭部を殴るなどの暴行を加えたということです。

 暴行を受けたとされる貴ノ岩の診断書。頭蓋底骨の骨折などにより、今月5日から9日まで入院、全治2週間のけがであることが記されていました。貴ノ岩は、12日から始まった九州場所を初日から休場しています。暴行があったとされる3日後の先月29日には、貴ノ岩が所属する貴乃花部屋の貴乃花親方が被害届を提出。鳥取県警が受理したことも明らかになりました。

 秋場所で優勝を飾り連覇を目指していた日馬富士ですが、今場所は初日から2連敗。13日の相手は貴ノ岩と同部屋の貴景勝でした。

 日馬富士は、14日朝も稽古場に顔を出しましたが、14日付で休場を届け出。正午前には、師匠の伊勢ヶ濱親方とともに、謝罪のため貴乃花部屋に向かいました。

 伊勢ヶ濱親方は、14日朝、相撲協会の聞き取りに対し、日馬富士が暴行した事実を認めたといいます。日馬富士の表情も硬いままです。しかし、顔を見合わせる2人。実は2人の目の前を通り過ぎた白い車に、貴乃花親方が乗っていたのです。

Q.連絡してから来た?

 「連絡はしてない。すぐ来ようと思って。間に合うかなと思ったら、今時間で出て行ってしまったので」(伊勢ヶ濱親方)

 結局、2人は直接謝罪することができず、貴乃花部屋を後にしました。

 14日朝の相撲協会の聞き取りに対し、貴乃花親方は「被害届を取り下げるつもりはない」と話していて、警察が受理したことで刑事事件に発展する可能性もあります。

 モンゴルで生まれた日馬富士。2001年に初土俵を踏むと、スピードを生かした鋭い相撲で、2012年に横綱に昇進しました。

 長年大相撲の取材を続ける山崎氏は、日馬富士の人柄について、こう話します。

 「普段は絵を描いて入選もしてますし。性格は荒っぽいところはない」(東京相撲記者クラブ会友 山崎正氏)

 土俵上の豪快な姿とは一転、趣味は絵を描くことで、その腕前は絵画展も開くほどです。病院を慰問し、病気の子どもたちとふれ合うなど、社会貢献にも積極的に取り組んでいたといいます。

 「せっかく、すごく人気が出てきたので、こんなことで陰ってしまうのはよくない」(相撲ファン)

 「(日馬富士は)気になっていたんでしょうね。(今場所は)はじめから2敗してますよね」(相撲ファン)

 同郷の2人に何があったのでしょうか。ビール瓶で殴られたという貴ノ岩。脳しんとう、左前頭部裂傷、右中頭蓋底骨折などと書かれていました。

 この中でも、医師は、頭蓋底骨の骨折についてこう話します。

 「(頭蓋底骨の骨折は)かなり強い打撲がないとおこらない。痛みもあれば、頭痛もめまいも。そもそも病院に行くとか行かないとかいうレベルよりも、救急車で運ばれるレベル」(前田病院・脳神経外科 前田達浩副院長)

 すぐに入院して適切な治療を受けなければ、後遺症が残る可能性もあるといいます。

 日馬富士が暴行したとされるのは先月26日。秋巡業が行われていた鳥取で、モンゴル出身の力士らが集まった懇親会の席でした。貴ノ岩は、その10日後の今月5日に福岡の病院に入院。その間、貴ノ岩は巡業に参加しているほか、貴乃花親方らと福岡県田川市の市長を表敬訪問していました。

 「普通の人だったらまずできないし、歯を食いしばって我慢してたのではないか」(前田病院・脳神経外科 前田達浩副院長)

 貴ノ岩のけがについて高校時代の恩師は・・・

 「貴ノ岩はかわいい教え子、早く復活してほしい」(鳥取城北高校 石浦外喜義校長)

 またも繰り返された角界の暴力問題。

 「横綱というのは品格が求められると聞いていますので、範となるべき方がそうした事件を起こしたことは非常に残念」(スポーツ庁 鈴木大地長官)

 角界で暴力が問題になったのはこれが初めてではありません。2010年、当時、横綱だった朝青龍が泥酔して知人男性とトラブルになり暴行、その責任をとって引退しました。そして、2007年には、時津風部屋に入門したばかりの17歳の力士・時太山、本名・斉藤俊さんが、当時の親方や兄弟子らから「しつけ」と称した暴行を受け亡くなったのです。この事件では、当時の時津風親方が有罪判決を受けています。

 再び浮上した暴行問題に斉藤さんの父親は14日・・・

 「10年前に訴えて、ちょっとは変わるかなと思ったら、何も変わってない」(亡くなった俊さんの父・斉藤正人さん)

 息子の死の真相究明を訴え、相撲界の改革も望んできた10年でした。

 「何のために俺やったんだろうと、自分に対しても情けないし、相撲協会そのものも何やっているんだというか。何も結局変わってないことに情けないですね」(亡くなった俊さんの父・斉藤正人さん)

 14日夕方、無言で宿舎へと戻った日馬富士。伊勢ヶ濱親方も無言でした。

 横綱の品格も問われている今回の暴行問題に、専門家は・・・

 「横綱としては、やっぱりあるまじき行為だと思う。横綱の品位というのはまず後輩を育てて、後輩を思いやるという精神」(東京相撲記者クラブ会友 山崎正氏)

 その上で、厳しい処分もあり得ると指摘します。

 「八角理事長の判断だと思うが、休場だけでは済まされないと思う。今後、相撲がとれるかどうかというところまで発展しかねないと思う。横綱審議委員会でもそういう話は出てくるだろう」(東京相撲記者クラブ会友 山崎正氏)

 横綱審議委員会の北村委員長は、今回の問題についてコメントを出しました。

 「全力士の模範となる高い品格を持つはずの横綱が、暴力沙汰を起こしたのであれば、大相撲全体に対する評価にも大きく影響する。協会の厳しい処置を求めることになるだろう」(横綱審議委員会北村委員長のコメント)

 日本相撲協会は危機管理委員会で調査しています。

 八角理事長は記者団に対し・・・

 「場所中にこのようなことが出てきて、申し訳ない、そういうひと言。事実確認をして厳正に対処して、危機管理委員会を招集してやっていきます」(日本相撲協会 八角理事長)

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更新日時:11月20日 14時2分

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