11日
12時39分
2分37秒

自宅再建阻む区画整理の遅れ、焦る被災者

 津波で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市では、土地のかさ上げを伴う区画整理が遅れていて、東日本大震災から5年10か月たった今でも自宅を再建できない被災者は焦りを募らせています。

 春日淳一さん(70)。40年以上続けてきた水産加工の会社をおととし廃業し、今は気仙沼市内の採石場でアルバイトをしながら生計を立てています。

 「18歳の頃から47~8年、水産加工をしていたので、今の仕事は最初のうちは大変だった」(春日淳一さん)

 自宅を兼ねた水産加工の工場は津波の被害を受けました。震災後に1000万円の借金をして修繕し、仕事を続けましたが、市の復興計画で決まった土地のかさ上げに伴う区画整理で自宅と工場を取り壊さざるを得なくなりました。春日さんはこれを機に廃業を決めました。

 「こういうことで辞めたくはないと思ったが、諦めたときはむなしさというか空虚感(を感じた)」(春日淳一さん)

 気仙沼市では、津波に強い街を作るため、被災した3つの地区でかさ上げ工事を伴う区画整理を行っています。春日さんが住んでいた南気仙沼地区では3メートルほどかさ上げする工事を進めていますが、周辺の地盤が弱く、かさ上げした土が固まるまでに時間がかかっているため、最長で2年遅れる見込みです。

 「皆さんの住宅再建が遅れるということで、お叱りは受けている。だからと言って早くできるものでもないので、努力をしていくつもり」(気仙沼市都市計画課 佐々木守課長)

 春日さんの土地の引き渡しも、当初の計画から半年以上ずれ込み、来年秋になる予定です。みなし仮設住宅での暮らしが続く春日さんは、「ここで一生を終えるかもしれない」という焦燥感を深めています。

 「新しい家に帰れるのか、それとも、アパートで終わるのかということがなんとなく現実味を帯びてきた」(春日淳一さん)

 復興工事で仕事と生活の場を失った春日さん。

 「これが運命なのかなと思って、もうこれ以上は遅くしないで、約束を守って予定通り工事を完了してほしい」(春日淳一さん)

 震災から5年10か月。春日さんは今もなお、自宅を再建できる日を待っています。(11日11:43)

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更新日時:1月17日 13時2分

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